エデン 楽園の果て/事実に基ずく物語 無人島で3組がそれぞれのやり方で暮らすが諍いは食物なのが鉄板。興味深い。

映画鑑賞

エデン 楽園の果て

事実に基ずく物語が映画になっている。

住民の死については謎が多かったらしく、そこがフィクションになっていて面白かった。

諍いは食物の奪い合い。

昔からの鉄板で普通だった。

現実のフリードリクは歯を全部抜いてから無人島に行ったと聞いて驚いた。

登場人物3組 

1930年代初頭、

ガラパゴス諸島のひとつ、フロレアナ島は無人島だった。

①はカップル

フリードリク・リッター(元医者);:俳優はジュード・ロウ

ドーラ・シュトラウヒ(多発性硬化症という病気)俳優はヴァネッサ・カービー

ブーロ(ろば)

② は家族

ハインツ・ウィットマー :俳優はダニエル・ブリュール

その妻:マーグレット :俳優はシドニー・スウィーニー(出産した女性は強い)

その子:ハリー(結核だがお金がなくて治せないので島にやってきた。)

③リゾート計画を持ち込む男爵とパートナー

エロイーズ(快楽主義の若い女性、自らを男爵と名乗る):俳優はアナ・デ・アルマヌ

ロバート(エロイーズのパートナー)

ルドルフ(エロイーズのパートナー)

マヌエル(使用人)

大まかなあらすじ

①の2人(フリードリクとドーラ)が暮らしていたところに

②の家族が現れた。

妻マーグレットは妊娠していた。

静かに暮らしていたのにと、①には歓迎はされていない。

しかし、②の家族は助け合って水場を作ったり、自作農業を成功させた。

水源を作って落ち着いてきたところ、

③がやってくる。

③は男爵夫人を名乗るエロイーズを筆頭に失礼な奴らだ。

エロイーズは本土のものしか口にしない。

つまり缶詰を食べて生活している。

彼女はここにリゾートホテルを建てようと来たらしい。

①フリードリクは島外に手紙を出しているらしく、

時々物好きな支援者が食べ物等を持ってやってくる。

③はその食べ物を盗んで知らんぷりする。

③は農業をしていないので、食べ物がすぐに底をつく。

今度は②の夫や息子が留守の時、

保管していた缶詰を盗んだ。

マーグレットが産気づいて困っていても知らんぷりだ。

マーグレットは

狼に襲われそうになる。

立ったままお産し、子どもを抱きかかえ、絶体絶命の時夫らは帰ってきた。

①も②も③の態度には許せないと思った。

食べ物の恨みは恐ろしいのだ。

で、③に話し合いを求めたのだが、

急にロバートに殴り掛かれて、ハインツはナイフで刺して殺してしまう。

エロイーズは色仕掛けで和解を求めたが、フリードリクに銃で撃たれて死亡。

2人の死体は崖で始末した。

使用人のマヌエルは逃げた。

残ったルドルフは漁船に乗せてもらい島を出たが、

その後行き先とは違う島で死んでいた。

ドーラやマーグレットには

エロイーズとロバートは島から突然出て行ったと知らされたが、

怪しんでいた。

①のドーラとフリードリクの関係が悪化していた。

執筆に使用していたタイプライターをぶん投げて破損させた。

食事に固執するようになった。

(③のグループに奪われた缶詰等のことをとても悔しがった。以前はそういう人ではなかったらしい。)

大事にしていたにわとりに腐った餌を食べさせた。

にわとりは死んでしまった。

②のマーグレットはニワトリが死んで困っているだろうと

生きたニワトリをドーラに持っていった。

そこで不思議な発言をしていた。

「腐った肉を茹でたら食べられると思われている

細菌は死ぬけど肉に放出された毒素は取り除けない」

ドーラに何かを教えてあげているようだった。

ドーラは鶏肉を茹でて、フリードリクに食べさせ、

自分は抜けた歯のところが化膿しているからと食べなかった。

フリードリクは食中毒で死んだ。

そして島を出ていった。

残った②のマーグレットはその島でリゾートホテルをつくり、長生きしたそうだ。

感想

①のドーラと

②のマーグレットはそれぞれ手記を発表したそうだ。

それに基づいているらしい。

ドーラの多発性硬化症は大自然にいれば治るものでないんだなと思った。

マーグレットの子どもハリー、結核は治ったみたいだけど。

フリードリクもまた②や③の住民が増えていくにつれて、

捨て去ったはずの人間の愚かさが出てきてしまったと思う。

ドーラと2人きり。

ろばやにわとりを飼い、農業をし、細々暮らし、

タイプライターで小説?を書く。

他の人間が来て、それが崩れていく様を観るのが興味深かった。

現代では普通にみんな知っている、

腐ったものは焼いても食べてはいけない

フリードリクはドクターだから知ってそうだけど、

ちょっとその前に頭がおかしくなっていたのかもしれません。

面白い映画でした。

多発性硬化症とは

多発性硬化症は中枢神経に多発性に脱髄(だつずい)が起こる病気で、再発と寛解を繰り返すことが特徴の1つです。

神経の病気なんだな。

厚生労働省が指定する指定難病のひとつ。

【多発性硬化症の主な症状】

  • 手や足が動かしにくくなる
  • 感覚に異常が起こる
  • ものが見えにくくなる
  • 排泄行為がうまくできなくなる

映画最初の方でドーラとフリードリクはセックスしていたから、

多分ドーラの調子はとても良かったのだと思われる。

せっかく身体の調子がよくなってきたところで、②家族が現れたから、

ドーラはさぞ忌々しかっただろう。

大事にしていたろばもいなくなった。

パートナーのフリードリクは変わってしまった。

悲観して、もうフリードリクに死んで欲しいと思ったのだろうか。

毒を盛る殺人方法は

人を殺したという実感があまりないらしい。

そんなところだろうと思った。

お読みいただきありがとうございました。

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