ヤクザと家族 The Family/綾野剛・舘ひろし・磯村優斗・尾野真千子

ヤクザと家族 映画鑑賞

こんな生き方しかできなかった男、山本賢治(綾野剛)のために泣いてしまいました。

あらすじ①

詳しいキャスト等は公式ホームページでどうぞ。

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これは山本賢治という男の生き様の映画です。

山本家のお葬式に白のダウンを着た賢治がやってきます。

賢治は喧嘩をしたのか拳が血で汚れています。

父親、山本正治は何者だったのか不明ですが、自宅には表彰されたものもありました。

警察官だったのかもしれません。

正治はシャブ中毒でお金がなく買えなくなったので自殺したそうです。

そのため、賢治は

警察官大迫に尿検査を強要され、

「お前は父親みたいにならなるなよ」と嫌な感じで諭されます。

その帰り、シャブの売人を見つけ、バッグを奪い、海に捨ててしまいます。

そのせいで、ヤクザに狙われ、危うく臓器売買の船に乗せられそうになったところを

柴咲組に助けられ、それが縁で親子血縁の儀式を執り行い、

柴咲(舘ひろし)と賢治(綾野剛)は親子になりました。

あらすじ②

ヤクザの仕事に邁進する賢治、

ケン坊と組長に呼ばれ、可愛がってもらっています。

昔から通っている「オモニ」の店主木村愛子(寺島しのぶ)の息子翼はケン兄を慕っています。

自分らの店でバイトしている女(尾野真千子)を好きになりました。

賢治の絶好調の時代だったかもしれません。

対立する暴力団の若頭を兄貴分(北村有起哉)が殺そうとしたところ、賢治がとどめを刺し

懲役14年を受けました。

あらすじ③

懲役刑を終え、娑婆に出てくると、世間は変わっていました。

暴力団排除条例ができ、次々と店がつぶれていったそうです。

柴咲組は縮小され、最低限のしのぎでなんとか生きている状態でした。

組長は癌にかかり、余命わずかでした。

舎弟の細野は5年前に組を抜け、産業廃棄物処理工場で働いていました。

賢治はその状況をゆっくりと飲み込んでいきました。

ただ、認識が甘かったということが後でわかります。

好きだった女ユカ(尾野真千子)を探し出し、

柴咲組を辞めた後、暮らし始めました。

ユカは公務員になっていて、社宅で娘の彩(小宮山莉渚)と暮らしていました。

娘は14歳でなんとなく自分の娘ということがわかります。

賢治も細野の紹介で工場で働き始めます。

あらすじ④

工場で働く若者に記念にと写真を撮られます。

その若者が本物の元ヤクザとして画像をアップしたところ、

細野と賢治は工場を退職、

細野は妻子に逃げられてしまいます。

賢治もユカに泣きながら出ていってください、お願いしますと言われ

オモニ食堂に向かいます。

オモニには翼(礒村勇斗)がおり、面倒をみてくれるというのですが、

断ったみたいでした。

翼は

自分の父親を殺した奴がわかったと言っていました。

賢治はユカに電話をし、これまでのことを詫びました。

ただ、普通の暮らしがしたかったのだと思いを話しました。

賢治は中華料理屋の個室で食事をする加藤と大迫をバットで滅多打ちし、殺します。

あらすじ⑤

加藤と大迫を殺した後、海辺で煙草を吸う賢治。

そこに細野がやってきて賢治を刺します。

あんたさえ帰って来なかったらと言う細野に反抗もせず、

賢治は刃を受け止め、自ら強く刺されるのでした。

その後、海に落ちます。

あらすじ⑥

賢治が死んだ海辺に

翼が花束を手向けにきました。

そこへ、彩も花を持って現れます。

お父さんはどんな人だったのか知っているかと問われ、絶句し涙をこらえる翼。

少し話そうかと翼は答え、そこで物語は終わりました。

エンドで流れる音楽も最高でした。

感想

登場人物ひとりひとりに感情移入ができました。

スクーターを乗り回し、ただの不良だった賢治が一瞬でも輝けたのはヤクザの世界でした。

両親のいない、しかもシャブ中で死んだ父親を持った賢治に他に何ができたかはわかりません。

いつも思うのは出自を乗り越えるのは相当大変だということです。

子どもは親を選んで生まれたりはできないのです。

賢治は普通に暮らしていけたらそれが幸せだと思ったのかもしれませんが、

幸せは不確実なものであり、これといって基準がないのが難しいところです。

14年間、賢治は小さな幸せをつかみたいと思っていただけなのに

自分が出てきたせいで、問題が起こり

ユカと彩は職場と学校を追われ

細野(市原隼人)は妻と娘に去られてしまいます。

賢治が

翼が事件を起こし愛子さんに悲しい思いをさせたくないと

加藤と大迫を殺したり

細野がヤクザをやめてやっと5年、ようやく人間になれたと思ったら、1枚の写真で何もかもがなくなって自暴自棄になり賢治にあたるのも

人間やぶれかぶれだと何でもできちゃうのかもしれないなと思いました。

先日こんな恐ろしい事件がありましたね。

逆恨みというものは怖いですよね。

犯人の気持ちに同情はしませんが、この強い憎しみがあったから、今まで生きてこれたのかもしれないなと少し思いました。

宗教に多額の献金をした母親、父親と兄は自殺したそうです。

幸せというのは簡単なようで、手に入りにくいものなのです。

安倍元総理のご冥福をお祈り申し上げます。

お読みいただきありがとうございました。

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