母親を愛していたからこそ、ユリは死んだ。
ユリが母親のお母さんになってあげたかったと思う気持ちに涙が出る。
予想とは違った映画だったが、感情を揺さぶられるいいものだった。
登場人物
学校では優等生だった。
母親の母親になってあげたいと言ったユリ。
お母さんのことが本当に好きだったんだという考えと
完全に洗脳されていたんだという考えがどちらもある。
母親を好きだったことが、彼女を苦しめた。
嫌いになれれば、
さんまは食べなくてもいいし、牛乳飲まなくても大丈夫だったのに、真面目過ぎた。
自分の母親によって作られ、毒親になったヘヨン。
へヨンも同じく犠牲者。
だが、
こうも過去の自分を忘れて、我が子に同じ事が出来るんだと驚愕した。
へヨンは母親から散々な目にあわされてきたと推測される。
1枚の絵日記が物語っていた。
ユリが死んで、
へヨンは普通の母親になれるだろうか。
難しそうな気がする。
ヘヨンはユリにいいことをしているという考えを貫いた。
私は間違っていない!と突っ走った。
愛情の押し付けだ。
それを修正できたのは夫やユリ自身だったと思う。
夫は詳しい描写はないが、たまに帰宅する程度で家のことは妻にまかせきりだったのだろう。
イェナには母親がいなかった。
回りから、ユリの母親は愛情深く娘を気遣う人物と思われていた。
母親のいないイェナには比較する人がいなかった。
もし、イェナに母親がいたら、ユリは生きていたかな?
担任のギボムは両親から軽んじられていた。
兄と比べると職業が見劣りするからなのか、そこはわからなかった。
ユリが鬱病の薬を持っていたのを見つけたのに、さらに追い詰めるようなことを言ってしまう。
あらすじ
湖畔に止められた車から3人の遺体が発見された。
1人は嘔吐し、逃げたようだ。
最初に身元が判明したのは高校生のユリだった。
警察は自殺と考えるが、
ユリの母親は認めようとはしなかった。
母親は自らの調べで
担任とクラスメイトの女子「イェナ」を告訴した。
母親はユリの携帯を盗聴していたが、
ユリはもう1台携帯を保有していた。
捜査が進むにつれていろいろなことがわかってきた。
ユリを自殺に追い込んだのは一体なんだったのか。
感想
冒頭のシーンは車で集団自殺するところだった。
なので、タイトルからも想像できる
過干渉の母親から逃げたくて死んだんだろう、
くらいに思っていた。
うつ病で薬を飲んでいた。
だけど違った。
ユリは母親を愛していたんだ。
そして母親は自分の母親(ユリから見たら祖母)から同じようなことをされていた。
母親ヘヨンは虐待に苦しんでいたことが、
1枚の絵日記から推測された。
完璧な子どもになります。
どうかたたかないてください。
ユリが将来の夢「良妻賢母」と答えたところも悲しい。
このまま母親の期待に応えていったら、ユリはヘヨンみたいな母親になるだろう。
時々、ユリは癇癪を起した。
もっともっと暴れられるような子どもだったら、
ユリはまだ生きていたかもしれない。
いい子だったから自らが死を選び、連鎖を切ったんだ。
青魚(サンマ)は身体に良いと、毎晩食べさせられていた。
アレルギーで身体が痒くなった。
牛乳も嫌いだったのに飲むように言われていた。
自殺する前に大きな口でいちごのショートケーキを食べていたシーンが印象的だった。
両親揃っていて、
父親に助けを求めているふしもあったのに、残念な結末だった。
母親が改心してユリの弟は普通に育てられればいいなと思った。
お読みいただきありがとうございました。