初めに東京の夜景が映ります。そこでもう泣きそうになりました。
なんでだろう。
流れるピアノ音楽もすごく良かったです。
観終わった後は余韻がいつまでも残ります。
あらすじ①
トランスジェンダーというのは生まれた時に割り当てられた性別が自身の性同一性またはジェンダー表現と異なる人々を示す包括的な用語だそうです。
性同一性障害とは違うようですが
心と身体の性が一致していないという認識をしました。
主人公の凪沙(草彅剛)が小学生だった時、
遠足で海に行ったのだけれど、私は男子の海パンでどうしてスクール水着じゃないのだろうって泣いてしまったというエピソードです。
これをどうやって理解するか、とても悩みました。
今でこそ、ようやく認識されてきた性の不一致の問題ですが、まだまだ隠して生活している方がほとんどなのだと思います。
凪沙は新宿でダンサーをしています。
そこで白鳥になって踊りますが滑稽です。
広島出身ですが、田舎には自分がそういうことになっているのは秘密にしています。
従姉妹の娘が母親にネグレクトされているので、養育費目当てでしばらく預かることになりました。
おじだと思っていたら、女性の姿をした人が迎えにきて戸惑う一果(服部樹咲)ですが、
凪沙は「言ったら殺す」と脅すのでした。
一果には自傷行為をするくせがありました。
自分の腕に噛みついて、叫び、精神を落ち着かせようとしているみたいです。
あらすじ②
学校で凪沙のことをからかわれて、
暴れて
凪沙に叱られます。
学校の帰り道、バレエ教室を見つけます。
一果はこの時何かが変わったのか
体験もすることになりました。
偶然にも同級生桑田りん(上野鈴華)がいて、お古のバレエシューズ等を譲ってもらい
親しくなります。
りんの家は裕福でゆくゆくはバレエで留学する予定とのことでした。
スクール代や発表会や衣装はお金がかかるということで
一果はりんにスタジオでモデルのバイトを紹介してもらいます。
りんは
どんどんバレエが上手になっていき、先生の興味を持っていった一果に嫉妬し
スタジオで個別撮影に応じるように言います。
個別撮影は危険なようで、絶対にやってはいけないと言っていたのにそうさせたようでした。
キモイおじさんに水着を着てくれないかとせまられ、
一果は椅子を投げてぶつけました。
警察沙汰になり、凪沙も呼ばれました。
あらすじ③
凪沙はバレエ教室で
一果には才能があることを聞きました。
その夜凪沙は一果をひとりで家に置いていくのが不安でお店に連れていきます。
白鳥になって踊る凪沙達を酔っ払いがからんでショーが中断します。
その舞台で一果が舞いました。
凪沙は一果にバレエを続けさせようと努力することにします。
ですが、本当の母親早織(水川あさみ)が迎えにきます。
あらすじ④
同級生のりんは治りきらない足の怪我でバレエをやめてしまいます。
学校の屋上で煙草を吸いながら、踊る一果を見つめます。
「ねえ、変わったね。すっごい話すようになった。」
「なってないよ。」
「あとね、明るくなった。」
「なってないよ。」
「あとすごい可愛くなった。」
「なってないよ。」
「あと、バレエが上手になった。」
「なってないよ。」
りんは一果にキスしようとしますが、鼻が邪魔でうまくいきません。
一果のコンクールの日、りんは屋上で行われているパーティに出席しています。
一果の出番と同時にりんは屋上で踊りはじめ、音楽に合わせて飛び降りてしまいます。
コンクール会場で一果はりんの亡霊を見て踊れなくなってしまいます。
母親が一果を抱きしめに舞台へ駆けあがります。
あらすじ⑤
凪沙は外国で性転換手術を受け、
広島へ一果を迎えに行きますが、バケモノ扱いされ、追い返されてしまいます。
こんなところに居たらいけない。踊らないといけないと諭します。
中学を卒業し、東京に行きます。
バレエの練習はずっと続けていたようです。
しかも外国からバレエの奨学生として迎えられることが決まりました。
凪沙は手術後の経過が思わしくなかったのか、床に臥せっていました。
汚物がそのまま放置されていたり、不衛生な部屋を清潔に整え、料理をして、凪沙に食べさせます。
凪沙は目が見えづらくなっているようです。
海に連れていって欲しいと言い、そこで一果に踊ってもらいます。
凪沙は死んでしまったようです。
あらすじ⑥
外国でコンクール会場に向かう一果は
新宿の町を闊歩していた凪沙によく似ています。
白鳥の姿をした一果は「見てて」とつぶやき舞台に出ていきます。
感想
映画音楽がいつまでも残る作品でした。
悲しい物語だけれども、最後は未来は明るいから大丈夫みたいな気持ちです。
一果と凪沙が一生懸命生きているいうことが素敵でした。
一果がバレエに出会えて、本当に良かったです。
凪沙が応援してくれました。
悲しい人間がたくさん出てきます。
凪沙はトランスジェンダーで自分の認識する性が一致せず、ずっと苦しんできました。
凪沙は多分女性ホルモンの注射をしていて、それは具合が悪くなるものでした。
毎週打っているようでしたが、
その気分の悪さは相当なように見えました。
「何で私だけ、何で私だけこんな身体に」と嘆く凪沙。
身体が女性に生まれなかっただけなのに、どうしてこんなに苦しい思いをしなくてはならないのでしょうか。
早織はホステスをして、生計を立てています。
女性に生まれて子どもを産んだのはいいけれど、ほったらかしで暴力さえも振るう母親、彼女もまた子どもの愛し方を知らない不幸な人間です。映画では父親の存在は出てきません。
一果は酔いつぶれた母親を迎えに行くも、母親に悪態をつかれて、暴力を振るわれます。
散らかった部屋でポテトチップスを少しずつ食べる姿で満足な食事もないのだと想像されます。
でもバレエを知り、夢中になっていきます。
いかがわしい撮影所で警察沙汰になった後、また絶望する一果。
またバレエ出来なくなっちゃうのわかってるけど、どうして自分だけ不幸なんだと思ってしまいますよね。
自暴自棄になり自傷行為に走る一果を
「うちらみたいなのはずっとひとりで生きていかんと」と凪沙は
抱きしめて止めます。
映画初出演で一果を演じた少女、服部樹咲さんすごいですね。
本物のバレエコンクールで何度も優勝されています。
バレエって見にいったことないのですが、すごいんだなって
シンプルに感動しました。
草彅剛さんの演技はたびたびいいと思っていたけれど、
これは代表作としていっていいのではないかと思います。
エンドロールにエグゼクティブプロデューサーが飯島美智と流れていました。
SMAPの敏腕マネジャーとして、SMAPを超一流にしていった方です。
SMAPのメンバー個々の努力はもちろんですが、この方はすごい方なんだって思います。
SMAPからだと思うのですよね、メンバーのバラ売りとかアイドルがお笑い系に出るのって。
夢がもりもりっていう番組でめっちゃメンバー頑張ってました。
面白い映画でした。
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