石原さとみさん主演なので観始めました。
（完全なる勘違い）
それで途中まで、完全に石原さとみさんかと思い込んでいました。
石原さとみさん、可愛いオーラを消して、
演技派俳優になっててすごいなあ。
まったく違う女優さんでした。
河合優実さん、素晴らしい。
「あん」、真面目に生きようとしていたことが、悲しい。
誰が1番悪かったのかと考えたが、答えが出ませんでした。
2020年に起きた実話です。
衝撃を受けました。
主な登場人物
河合優実：香川 杏 21歳：毒親の元で中学校も卒業できないで育ちました。母親から殴られ、売春を強要されても家を出ないのは足の悪い祖母がいるためでした。
佐藤二朗：多々羅：警察官であり、「サルベージ」という薬物中毒を更生させるサークルのようなものを運営しています。ヨガ教室併用。
稲垣吾郎：桐野：週刊誌の記者：サルベージの調査をしています。多々羅がサルベージを私物化し、参加者の女性に肉体関係を強いるという情報がありました。
あらすじ①
あんが、売春でホテルにいる時、
相手が覚醒剤を使用し、そのまま死んでしまいました。
そして、
警察のご厄介になることになりました。
あんは中学2年生からウリ（売春）をしていました。
最初の相手は母親の知り合いです。
中学校さえまともに通っていません。
祖母や母親と暮らすアパートはゴミでいっぱいです。
警察官多々羅（佐藤二朗）は「あん」を立ち直らせるために尽力します。
あんは、
それを取材している記者（稲垣吾郎）とも仲良くなっていきました。
多々羅が主催するサルベージに参加しても
あんは自分のことを話すことができませんでした。
多々羅からはまずは売春をやめることと言われました。
そして母親から離れさせるために、自立することを目指しました。
あんは、介護施設で働くことになりました。
（祖母の介護をしたいと思ったからです。）
介護施設での給与明細があんの実家にいってしまい、居場所が母親にバレてしまいました。
母親が給料をよこせと怒鳴り込んできました。
回りの大人たちの助けでなんとか続けて働けました。
（想像の上をいく母親の行動に、あんを助けてやってと祈りました。）
そして、
コロナ禍がみんなの暮らしを変えていきました。
あんは正規社員でないことから、解雇されます。
それでも
シェルターでの暮らしは初めての落ち着く場所になったのではないかと思います。
ある日、シェルターの隣の女性の子ども、隼人を押しつけられてしまいます。
しかし、あんは健気にその子どもを育てます。
コロナ禍で誰とも接しない生活が続いたけれど、隼人がいることであん自身も救われていたのだと思います。
隼人の嫌いな食物を覚え、一生懸命に育てている姿は
この子はとてもいい子なんだってわかります。
でも母親に見つかってしまいます。
どうして、逃げないのかわかりません。
（母親から暴力を受け続けてきたので、身体が硬直しちゃうのだろうか。）
あんは
子どもごと、ゴミアパートに連れていかれます。
隼人を奪われ、
売春して、お金を持ってこいと母親に言われます。
翌日、
お金を持って帰ると子どもはもういませんでした。
児相（児童相談所）に引き取ってもらったと母親は平気な顔です。
あんは怒りますが、
母親はそれよりも開き直って、悪態をつきました。
シェルターに戻ってあんは覚醒剤をうってしまいます。
（覚醒剤って簡単に購入できるんですね。）
今まで、薬を我慢していた日に◯をつけていた日記をフライパンで燃やし、
だけど、隼人の嫌いなものを書いていたところだけ、破ってはがし、
シェルターのベランダから飛び降りて、
あんは死んでしまいました。
あらすじ②
多々羅は
薬が原因で死ぬ人はいない、
彼女が死んだのは自責の念からだ、
彼女は薬をやめられていたんです、
と泣いていました。
桐野は
もし自分が多々羅を告発する記事を書かなければ、
サルベージは続いていて
あんちゃんは死なずに済んだかもしれない
と泣きました。
子ども（隼人）を預けていたシェルターの隣人は
あんが書いていた日記の切れ端を見て、
隼人のアレルギーをもわかって食事を作ってくれていたあんのことを恩人だと言いました。
お墓参りをしたいと申し出ますが、
遺骨はあんの母親が持っていってしまい、その後はわからないということでした。
感想
あんが死んでしまって、
どうにかしてあんを助けられなかったかと考えました。
コロナ禍にならなければ、
あんは介護施設で働きながら、シェルターで暮らして、すべてうまくいっていたような気もします。
でも母親に見つかったら、同じ結末だったかもしれません。
母親に見つからなければ、
売春をすることはなかったと思います。
そして癒しになっていた隼人を奪われて、
あんは闇に落ちてしまわなかったかもしれません。
（また薬をうたなくて、すんだと思います。）
多々羅が捕まらなければ、
なんとかあんの面倒をみてくれていたかもしれません。
多々羅がいれば、母親が現れた時、どうにかしてくれたかもしれません。
でも多々羅はサルベージの女性に性加害をしていたし、次はあんが被害者になっていたかもしれません。
ああ、でも全ての元凶は、
母親だ。
母親はあんの遺骨を持って帰ったと警察が言っていました。
あのゴミ屋敷化したアパートのどこかにあんの遺骨を放置している様が見えます。
子どもは親を選べないというのは本当に悲惨なことだと
思い知らされました。
お読みいただきありがとうございました。
