アイリーン役のシャロンストーンが秀逸だった。
『モンスター』を観て、シャロンストーンが大好きになった。
事実はもっと悲惨なんだろうなと考えさせられる物語だった。
あらすじ
アイリーンは8歳で父親の友人に犯され続けた。
幼い兄弟のために13歳から売春するようになった。
売春が原因で家を追い出された。
それからは売春しながら、森で暮らしていた。
若い頃のように稼げなくなったアイリーンは
なけなしの金を使い切ったら死のうと思っていた。
馴染みのバーで飲んでいると
セルビーが声をかけてきた。
セルビーは同性愛がばれて、
家を追い出され知り合いの家に居候していた。
アイリーンはレズヴィアンではないので近づくなと拒否したが、
悪びれずに近寄ってくるセルビーに好感を持つ。
セルビーの母親代わりの女性は彼女に忠告する。
「アイリーンは娼婦である。
そういう人らは常に選択を誤り、そのツケで苦労することになる。」
セルビーはアイリーンの誘いにのった。
1週間だけ一緒にいよう。帰りの交通費は渡すから。
あらすじ②
アイリーンはセルビーが大好きになってしまっていた。
セルビーは日曜の朝皆で教会に行くような家庭で厳しく育てられたが、
同性愛というキリスト教徒が忌み嫌うことをしてしまい、罰として家を追い出されたのだ。
家を追い出されても両親の監視は続いていた。
お金が無くなり、空腹になると
お金を稼ぐのはアイリーンの役目だった。
アイリーンは売春しようとした相手に殺されそうになり、その相手を殺してしまった。
お金はたくさん手に入ったが、
娼婦をやめて、まともな職業につこうとした。
しかし、アイリーンは幼い頃から劣悪な生活をしてきたので、
全くもって世間一般を知らなかった。
自分が望めば何にでもなれると思っている夢見る女性だった。
お金が無くなると、セルビーはヒステリックになり、
暗にアイリーンに稼いでくるよう仕向けるのだった。
セルビーは自分のしたいことはする人間だった。
遊園地で友人に会えば、アイリーンは放っておかれたし、
アイリーンが売春している間、暇だったら遊びにも出かけた。
アイリーンにできることは売春しかなかった。
路上にたち、ヒッチハイクするようなかたちで客を待っていた。
アイリーンは客を殺して、金を取るようになった。
その客の車でドライブしている時、事故を起こし、
民家に突っ込んでしまう。
慌てて逃げたのだが、これが逮捕のきっかけとなった。
あらすじ③
アイリーンはセルビーに家までの切符と持っている現金を渡した。
辛い別れだった。
セルビーから電話が来るからと、
アイリーンは逃げずにいた。
セルビーから電話があった。
セルビーは自分も殺人に関わったと疑われたらどうしようと
アイリーンに訴えた。
アイリーンは全て自分がひとりでやったと答えるのだった。
セルビーの回りには警官らがいて、電話の会話を録音していた。
裁判でもセルビーはアイリーンを擁護することはなく、一貫してアイリーンの犯罪だと答えた。
感想
主演のシャーリーズ・セロンは美人だ。
すごい役者さんだな。
アイリーンはお肌もボロボロだし、美人とはかけ離れていた。
実際のアイリーンは幼少時から器量が良かったらしい。
なので、娼婦として暮らしていくと元美人もそのままではいられないということなのだ。
事実として捉えると、
かわいそうな身の上のアイリーンには同情する。
両親ではなく祖父母に育てられ、器量が良かったせいで
祖父や祖父の友人に8歳から性的虐待を受けた。
祖母はアルコール依存症だった。
食べるものも与えられなかったので、売春をして兄弟らも支えた。
だけどそれがばれて、13歳で家を追い出され、森に住む。
多分、美人だったのでそれなりに若い頃は稼げたのかもしれない。
(ティーンの時、男子らにおっぱいを見せてたシーンあった。)
もう死のうと思っていたところ、
持っているお金全部使わないともったいないじゃんみたいな気持ちでバーに行き、
セルビーと知り合ってしまったのだ。
セルビーは娼婦のアイリーンに
「みんなあなたの身体にお金を払うのでしょ?」と
屈託なく言っていた。
そんなことがアイリーンの心に刺さったのかなと思った。
セルビーは
最後にはアイリーンを裏切り、自分だけ罪を逃れたし、
厳しくてつまらない生活から逃げ出したいだけだった気がする。
セルビーのおばさんはイイこと言ってた。
若い時は差別的でも厳しいこと言う人間は必要だ。
アイリーンが本気で弁護士事務所の秘書の面接に行ったりするくだりも好きだった。
学歴がないから恥ずかしいとかいう気持ちにならず、
本気でなりたいものになれると信じている。
娼婦をしていて、相手から殺されそうになり、殺してしまった後、
まともな職につこうとした。
生きていくのにはお金が必要だ。
アイリーンには娼婦しかできない。
でももう殺されそうになるのは怖い。
アイリーンはモンスターじゃない。
モンスターにしたのは祖父母かなあ。
国によって制度は違うけど、福祉は必要なんだなと思った。
お読みいただきありがとうございました。