11月は「人生は一編の詩」をテーマに『パターソン』を観てきました。
永瀬正敏さんも出演されています。
重要な役でした。
銀座メゾンエルメスに小さな映画館「Le Studio」があります。
そこで映画観てきました。
本日の映画は『パターソン』です。
あらすじ
2016年・アメリカ・118分
バス運転手のパターソンの一見変わり映えのしない日常を
ユニークな人々との交流と思いがけない出会いとともに描く、
ユーモアと優しさに溢れた7日間の物語です。
パターソンはパターソンという町を走るバスの運転手をしています。
毎朝、同じような時間に起き、妻が作ったランチボックスを手に仕事場に向かいます。
妻の生き方を尊重しています。
妻にすすめられて、ノートに詩を書いていますが、
まだ誰にも見せていません。
パターソンの運転するバスはいつも決まったルートを通り、彼は割と同じような時間に帰宅します。
たまにはバスだって故障することもあります。
たまにはビールを飲んで就寝が遅くなる時もあるります。
週末にこれまで書き溜めたノートをコピーするはずでした。
しかし、ソファに置き忘れたことで、愛犬がノートをぐちゃぐちゃに破損してしまいます。
日曜日、いつもランチする場所に座っていたら、
ひとりの観光客がやってきました。
彼はパターソンから生まれた詩人ウイリアム・カーロス・ウイリアムズのファンでした。
そして、彼に新しいノートをプレゼントしてくれました。
感想
『パターソン』はニュージャージー州パターソンに住むバス運転手パターソンの日常を描いています。
詩(ポエム)は自由、
そして、詩は訳してはいけないのです。
(最初の言語のまま)原文のままが良いのです、
というのを学んだ気がしました。
パターソンは
これは詩なのか?みたいな文章をノートに書き綴っていました。
(そういう詩の書き方もあるみたいです。)
見たこと、聞いたことをそのまま文章にしているような詩でした。
残念ながら誰の目にも触れず、愛犬にぐちゃぐちゃにされてしまいましたが、
パターソンに住む少女の詩もまた自由でした。
映画に出てくる詩人(ウイリアム・カーロス・ウイリアムズ)は著名人なのかな?私は知りませんでした。
ウリアム・カーロス・ウイリアムズは「パターソン」というタイトルで詩を出版しているらしいです。
概ね、単調な生活ですが、パターソンの妻への愛情が素晴らしいと思います。
妻はやりたいことはやるタイプの芸術家肌の人間ですが、
パターソンはあたたかくそれを見守る夫なのです。
たまにほんのちょっと嫌そうな顔をするのですが、ほとんど自分の心の中にしまって、円満そのものです。
妻もまたパターソンに深い愛情を持っています。
小さないざこざから離婚する夫婦もいるのに、この夫婦はそれは有り得ないと思うほど、
自然に愛情を感じる生活をしているところが羨ましいと思います。
愛犬に詩を書き溜めたノートを見事に破損されたパターソンですが、
それに対しても強く怒らないのです。
人間が出来ていると感じました。
同じように同じ詩人を愛する日本人(永瀬正敏)が現れた時、
パターソンの詩はまた彩りを持って始まっていく気がしました。
とても清々しい気持ちで映画を観終わることができました。
お読みいただきありがとうございました。