中山美穂さんが雪山で死んだ元カレに叫ぶシーンが印象的です。
「お元気ですか?あたしは元気です。」
あたしっていうところも好きです。
すこしわたし寄りのあたしです。
あらすじ①
中山美穂は渡辺博子役:彼、藤井樹が山で遭難し、現在は彼の友人(豊川悦司)とお付き合いしています。
彼への想いが断ち切れません。
3周忌で訪れた彼の部屋で見つけた中学時代のアルバムに昔彼が住んでいた住所を見つけ、
そこに手紙を出したことによって、物語は始まります。
彼の母親(加賀まりこ)には元の住所は道路になっていると聞いていました。
誰かの元に届くことは考えられません。
あらすじ②
その住所は同姓同名で中学時代同じクラスの藤井樹(中山美穂)のものでした。
それから彼女藤井樹(中山美穂)と渡辺博子(中山美穂)の
不思議な文通が始まるのです。
藤井樹(中山美穂)は同級生の藤井樹(柏原崇)のことを思い出し、それを手紙に綴ります。
中学時代は酒井美紀が演じていますが、初々しさがとてもいいです。
彼、藤井樹(柏原崇)は彼女、藤井樹(酒井美紀)が好きなんだってことは
途中でわかりますが、
彼女はそれに気がつかなかったっていうところがこの映画の醍醐味です。
渡辺博子は彼藤井樹に初めて会った時の彼の反応を覚えていました。
渡辺博子は中学時代の彼女藤井樹に似ていたのです。
(どちらも中山美穂が演じているため、そっくりです。)
渡辺博子は彼女藤井樹に会うために出かけますが、
運命が邪魔して結局ふたりは会うことはありませんでした。
会っていたらと思うとぞわぞわします。
あらすじ③
渡辺博子は死んだ彼藤井樹とお別れするために山を訪れます。
大好きでなぜか泣けるさよならのシーンです。
山に行くのにロングスカートなのが突っ込めますが、
渡辺博子はそういうおとなしめのキャラです。
一方、彼女藤井樹の元に中学の後輩が来ていました。
中学時代、彼藤井樹と彼女藤井樹は図書委員でした。
彼藤井樹はあまりみんなが読まなさそうな本を借りていて、
図書カードの名前欄に「藤井樹」と名前を記しており、
中学の後輩らは、先輩彼女藤井樹が好きで名前を書いていたと言っていました。
彼女藤井樹はそんな後輩らを否定していました。
それは自分の名前を書いていただけだと。
その日、後輩らは1枚の図書カードを持ってきました。
それは彼藤井樹が急に引越するから返却しておいてくれと渡された本のものでした。
はしゃぐ後輩。
図書カードの裏には彼女藤井樹の似顔絵が描かれていました。
鈍感な彼女藤井樹もそれで彼の恋心がわかったみたいでした。
しかし、前回中学を訪れた時に、彼藤井樹が2年前死んでいたと聞いていました。
彼女藤井樹が何を思ったかわかりません。
ただ、こちらの雰囲気はあくまでも明るいのでした。
感想
死んでしまった人間は死んだからすべてが終わるわけではありません。
自分のことを忘れないでくれている人がいます。
その人の中でずっと生き続けているのです。
だから死んでもいいよってことではありません。
死ななくても、一緒の時間を過ごしただけで、その人の一部になるのだと思います。
彼女藤井樹は、渡辺博子に手紙を書くため、彼藤井樹を一生懸命思い出し、文章にしてくれました。
渡辺博子が手紙を出さなければ、
彼女藤井樹は彼藤井樹を思い出さなかったかもしれません。
思い出の中で、誰かの心に残る人間でありたいと思いました。
お読みいただきありがとうございました。
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