圧倒される自然の美しさは感動ものだ。
あらすじ
バンコクのカオサンロードの安宿で、
リチャード(ディカプリオ)は隣人ダフィからビーチへの地図をもらう。
ダフィは部屋で自殺していた。
リチャードは隣室フランス人カップル、
エティエンヌとフランソワーズを誘い、ビーチを目指した。
旅立つ前に、困っていたところを助けてくれた男性2人の旅行者に
ビーチへの地図を書いて渡してしまう。
男性2人はビーチの噂を聞いて知っていたからだ。
(ダフィのこともあって不安なところもあったのだと思う。未知の場所は誰でも怖い、だからこそ、カップルを誘ったのではないだろうか。)
ビーチに到着
リチャードらは目的の島に到着する。
大麻畑が広がる景色に3人は狂喜乱舞。
しかし、その大麻畑を管理しているのは、武装集団だった。
(武装集団は村人なのか正体不明だ。)
なんとか彼らから隠れ、
サル(ティルダ・スウィントン)という女性が統治するビーチにたどり着いた。
そこはまさに楽園だった。
青い空と白い砂浜、若者らは助け合って自給自足の生活をしていた。
リチャードは天候が悪く魚が取れない時、
サメをやっつけてそれが食料となり、ちょっと得意げだった。
ある日、仲間3人がサメに襲われた
1人は死亡。
1人は重傷後死亡。
1人は重傷で病院に連れていってくれと頼んでも
サルには許可されなかった。
重症の男性があげる痛みをこらえる声が
同じ場所で暮らす仲間には耐えられなかった。
仲間らはだんだんうつになっていった。
その状態を見ていたリチャードはこう考えた。
怪我したらすぐ死んだほうが本人とみんなのためだ。
重症の男は森の小さなテントに置き去りにされた。
一緒にビーチに来たエティエンヌだけがみんなに抗議したが、聞き入れられなかった。
リチャードはサルに呼ばれた。
リチャードが地図の写しをあげた若者が隣の島まで来ているからと見張り番にさせられた。
孤独だった。
リチャードはだんだんと常軌を逸していった。
地図を持った若者4人は上陸するとすぐに武装集団に殺されてしまった。
武装集団はコミュニティにやってきた。
人数を増やすなと言ったのに守られていないと憤った。
そしてその原因となった男、リチャードを殺せ!
武装集団の男は一発だけ弾を残した銃をサルに渡した。
サルはリチャードに向けて銃を撃つが、カチッと音がするだけだった。
そして、みんなは立ち上がった。
島を出て、
コミュニティのみんなはそれぞれの国に帰っていった。
アメリカに帰ったリチャードはフランソワーズが撮ったコミュニティのみんなの写真を見た。
おしまい。
感想
暇つぶしに観たら、考えさせられた。
楽園=彼らが最終ゴールとして目指していたところ
だったのか?
違う。
リチャードはタイへ来て、
怪しい場所で馬の血を飲んでみたりもしたが、
何か満たされなかった。
それを満たすのがビーチだった。
でも、
コミュニティのみんなは結局文明から逸脱することはなかった。
必要なものは定期的に買い物してくれるシステムもあった。
好きなお菓子や生理用品、化粧品、様々なものは
現金と交換だった。
なぜか6年もの間お金があり続けたのも疑問だ。
仕送りか援助してくれる誰かがいる状況が
コミュニティのみんなの実態ではなかったのか。
すねかじりばかりがいる集団がコミュニティの実態だったのではないか。
彼らは面倒が大嫌いで、そういうことからは目を背けた。
サメに襲われた仲間を森に放置し、なかったことにした。
サルがリチャードに銃を向けて、引き金を引いた。
その瞬間、彼らの楽園は無くなり、
彼らは現実に戻った。
そんな感じがした。
彼らは時期が来れば、楽園から去る準備はもともとできていたのかもしれない。
最初にいたダフィはどっぷり浸りすぎて大麻中毒になり死んでしまった。
と思った。
のめり込むのは良くないのだ。
いっぱい羽目は外したけど、そこの境界線はちゃんと持っている、
そんなみんなの楽園だったのではないだろうか。
舞台となった
タイのマヤ島は観光客が押し寄せすぎて、
自然を守るため、閉鎖されたみたい。
リチャード役のレオナルドディカプリオが若くて格好良かった。
1999年アメリカ映画。
お読みいただきありがとうございました。