2021年6月公開のキャラクターをDVDで視聴しました。
面白かったです。
漫画が原作かと思っていましたが、
完全オリジナル書き下ろし脚本なんだそうです。
あらすじ
一家殺人事件の犯人を目撃してしまった漫画家山城(菅田将暉)が
その犯人を主役に漫画を描いてしまいます。
山城は長い間、芽が出ない漫画家でした。
アシスタントとしてついていた先生に
「あいつは人が良すぎるんだよ、だから凶悪なキャラクターを作れない。」
それが、本物の殺人現場と犯人を目撃してしまい、覚醒してしまったのです。
漫画を描き、それが大ヒットします。
警察には犯人を目撃したことは内緒にしていました。
一方でその一家殺人事件の犯人は
近くに住んでいた殺人犯の辺見が捕まることで、あっけなく終了したかのようでした。
ですが、また殺人事件が林道で起こります。
刑事の1人清田(小栗旬)はその殺人が山城が描いた漫画の内容に似ていることに気が付き、凶器を見つけます。
清田は同僚(中村獅童)と山城を調べはじめます。
両角(もろずみ)SEKAI NO OWARIのFukase
せかおわの深瀬さんをご存知ない方のためにこの曲を選びました。
大好きです。
「炎と森のカーニバル」
山城の漫画の主人公ダガーにそっくりです。
山城がもろずみを見て、キャラクターを思いついちゃったのだから無理もありません。
後の方でわかりますが、
山城ともろずみは第1の殺人現場で目があっていたようです。
山城に近づき、
自分と山城は漫画の共同制作者だと言います。
先生は書くだけで楽だからいいけど、
殺人は終わった後、二日間は寝込むくらい大変なんだと言ったりして、
突然現れては気味の悪い後味を残して去るもろずみは最高にわくわくさせるキャラクターです。
もろずみの住居はこれまた異常者でしかない部屋で、
赤主体で描かれた4人家族の絵はFukaseが本当に描いたということです。
すげ~。
(エンドロールに載ってます。)
もろずみは4人家族を幸せな家族の1単位とするコミュニティ(新興宗教団体?)に属していた過去があり、
戸籍を持っていない人間でした。
そんなところで育ちどんな教育を受け、
そこから出てからどんな境遇だったのか同情はできます。
もろずみの2番目の殺人でそのコミュニティがあった場所を目指すところがあるのだけど、
そしてそこは現在民宿になっているみたいでしたけど、
そこでも何かやらかしたんじゃないかと心配です。
(映画には出てませんでした。)
初演技でこれを見せられて、なんというか
深瀬さんのすごさがよくわかりました。
深瀬さんなしではこの映画は成り立たないと言い切れるくらいの存在感でした。
最初のセリフなしの横顔だけの演技とか
セリフの言い回しも「やべ~、この人に関わってはいけない。」とスイッチ入るくらいの出来栄えです。
ラスト、法廷で裁判官に向かって「私は誰でしょう?」と答えるとこも
ビビらせてくれました。
山城(やましろ)菅田将暉
カメレオン俳優の菅田将暉さん、
安定感抜群です。
現在、TVドラマで「ミステリと言うなかれ」がやっているせいで、
ちょっとかぶり気味のところは残念でした。
セリフをゆっくり言う、かまないように言っているみたいな部分が同じでした。
誠実さとか良い人の感じってそういう部分で伝えているのかなとも思いました。
映画の公開は昨年だから、かぶってミステリと言うなかれを見ている私が悪いんだけどね。
物語最後で
もろずみが山城のマンションに入ってきて
対決するのですが、
もろずみを馬乗りし、抑え
ナイフを思い切り振りかぶり、
刑事(中村獅童)が止めるのにやめないで、
ニヤッと笑うとこは「お見事!」です。
もろずみが憑依したみたいでゾクゾクしました。
清田刑事(せいだけいじ)小栗旬
元暴走族上がりだけど、逮捕歴がなく、運よく警察官になれたっていう設定です。
めっちゃ格好いい小栗旬さんです。
この間もどこかで刑事役を演じていたなと思いめぐらせていたら、
「罪の声」でした。
この時も格好良かったです。
辺見に殺されてしまうのだけど、
そこの演技もね、良かった。迫真の演技ってこういうことねって感じです。
夏美(なつみ)高畑充希
山城と同棲してて、後に結婚、
双子を授かっています。
漫画家を目指す山城を応援し、成功してからも支える妻を演じています。
こちらも安定感抜群で違和感が全くありません。
TVドラマでは主役ですが、こういうのも彼女の良さが出てすごいと思いました。
伏線(ふくせん)
辺見という人物は一家四人殺害の罪で刑務所に入っていた時期があります。
もろずみは辺見と文通をしていました。
最初は辺見に憧れていたもろずみでしたが、
もろずみが最初の一家殺人を起こすと、立場が逆転し
辺見を操るようになります。
辺見はもろずみのために
清田を殺します。
もろずみは幸せの家族の一単位をくずせないため、不要な殺人は辺見にやらせたのだと思います。
山城の描いた漫画「34」さんじゅうしを
真似て
殺人をしていたもろずみでしたので、
山城は最後、自分の実家の家族を題材に最終回を仕上げました。
しかし、その点ではもろずみの方がきれています。
もろずみは4人家族を幸せな家族の一単位として捉えているのであって
山城家実家はそれに該当しないと言うのです。
確かに父親は連れ子のいる女性と再婚していて、
山城は馴染めないでいたからです。
幸せでない。
幸せなのは先生の家、
夏美は双子を妊娠していたのです。
それも男女の双子です。
次々とわかっていく事柄もめっちゃ面白いです。
感想
本当にせかおわの深瀬さんの演技に引き込まれた映画でした。
俳優デビュー作で代表作になりましたね。
公式ホームページ等いろいろ見ましたが、
もろずみを演じている時に、ラヴソングを作っていたそうです。
才能ですね。
お読みいただきありがとうございました。
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