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あらすじ
アイルランド西部。
精神科医のスティーヴン・グリーン(エリック・バナ)は、取り壊されることになった聖マラキ病院の患者たちが転院するのに伴い、彼らの診察を行うために呼ばれた。
そこには自分が生んだ赤ん坊を殺したとして、約40年収容されているローズ・F・クリア(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)がいました。
自分の名前はローズ・マクナルティだと何度も言います。
自分の子どもを殺してはいないと言い続ける彼女に興味を持ち始めます。
グリーンは、看護師と一緒に彼女の話を聞き始めます。
ローズは聖書の中に日記を書いていて、それを元に話をしていきます。
聖書の一部が十字架の形に切り取られています。
感想
ローズが美しくて魅力的過ぎたため、
アイルランドがおかれた立場が微妙なため、
ゴーント神父に好きになられてしまったため、起きてしまった物語です。
叔母の禁酒ホテルで働いているのに、酒屋のマイケル・マクナルティに好かれてしまいます。
ゴーント神父は川で泳ぐローズに一目惚れします。
村の男にも好意を持たれてしまいます。
ただ美しいローズは自分の価値をわかってはいません。
叔母は、トラブルの元になると街から離れた小屋で一人暮らしさせます。
ローズに嫉妬はしてると思いますが、時代背景で自分のホテルを守るためにはやむを得ない行動だったかもしれません。
ぼろい小屋に置いていかれるローズが白雪姫の物語を思い出させました。
マイケルは戦争に行った後も戦闘機でローズの上を飛んでしまうくらい大好きです。
そんなことするくらい、夢中にさせてしまうローズという女性はやはり罪にあたってしまうのでしょうか。
挙句の果てに墜落し、木に引っ掛かり、ローズに助けてもらいます。
そして
ローズの家で暮らす間に2人は結婚します。
指輪はありませんでしたが、葉巻の何かで代用します。
ですが、
ゴーント神父の差し金で
マイケルは逮捕され、
ローズは淫乱の罪で精神病院に収監されます。
妊娠していたローズは子どもを取られたくないと逃げますが、
洞窟で赤ちゃんを産みます。
へその緒を切るために、石でたたく音が響きます。
後にはこの音がローズが赤ちゃんをたたき殺したということになってしまいました。
本当は気絶しているローズから赤ちゃんを奪っていったのはゴーント神父でした。
ゴーント神父は自分に振り向かないローズに電気ショックを与えて、記憶さえも消そうと試みます。
可愛さ余って憎さ100倍です。
物語の途中からいろいろと予想してしまいます。
ローズは精神病患者ではない、子どもは殺していないし、生きていて、
それがグリーン先生なんじゃないのかと薄々わかってしまいます。
でもどうやって?というのが後半はっきりしてきます。
グリーン先生は両親が死んだので、家を売ろうとしていましたが、屋根裏の箱から一通の手紙を見つけます。
そこで両親が本当の親でなかったこととそれを仲介したのはゴーント神父だとわかります。
最後にはローズに自分が息子であることと、一緒に家に帰ろうと言い終了です。
ゴーント神父はゴーント大司教になっていました。
自分の嫉妬でローズを40年間も病院に入れておいて、神に仕えるお仕事とはどんなに精神が病んでいることでしょう。この神父に見初められなかったら、ここまで不幸ではなかったかもしれません。
牧師と神父
ミッション系の学校に通われている方は詳しいと思います。
私の認識だと牧師さんの方が何かとゆるいイメージです。
牧師さんはプロテスタントで教職者・結婚もできますし、服装の決まりもありません。
神父さんはカトリックや正教会で聖職者・結婚はできませんし男性のみです。
そもそもゴーント神父はローズを好きになってもどうこうできません。
でも好きになってしまったので、一人暮らししているローズに「家政婦として雇ってあげる」と囲い込みしようとしたのですね。
神に仕える神父のせいで、精神病患者にされてしまい、40年拘束されてしまうのに
聖書に忘れたくない思い出を書き留めておくローズ。
それでも神を信じていたのでしょうか。
だからグリーン先生に会えたのかもしれません。
最後は感動します。
老後のローザを演じたヴァネッサ・レッドグレイヴの目が印象的でした。
神父を虜にした若き日のルーニー・マーラの目も素敵ですが、それ以上に感じるものがありました。
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