よくある話としか認識していませんでした。
主人公の楓に感情移入したら、絶望という言葉が浮かんできました。
絶望したら、死ぬよりただ生き続けていく方が簡単だったのかもしれません。
彼女は生きるためにそうするしかありませんでした。
あらすじと感想
朝ご飯や夕ご飯で家族で食卓を囲むシーンがありますが、
異常な家族をよく表しています。
父親は食べ始める前に変なルーティンをします。
ティッシュを取り、ナイフを拭きます。
またティッシュを取り、フォークを拭きます。
またティッシュを取り、スプーンを拭きます。
それでやっと食べ始めます。
母親と娘はびくびくしていて、
何かあると父親は食器ごと落とすのに、落としたものを食べろと強要します。
母親は父親が娘とセックスするのを黙認、
むしろもう父親が待っているよと声がけするくらいです。
精神状態は見ていて、気持ち悪いくらい暗く、病気になりそうです。
シーンが変わる時、一旦真っ黒な画面になり、それも嫌な感じです。
まぶたを閉じると真っ黒、真っ暗になるので、それを意図したのかもしれません。
母親は
インターフォンが鳴っても出ません。
娘を父親に差し出すくらいになった母親に今まで何があったのか考えると恐ろしいです。
娘は、手帳に×印をつけています。
最初はセックスをした日かと思ったのですが、
生理が来ないのを×していました。
父親とのセックスで妊娠してしまいました。
父親と娘のセックスシーンはリアルでした。
やりたい男が抵抗できない相手にただセックスするとこうなるのかと思いました。
主人公の楓は絶望の毎日を過ごしながら、もう耐えきれなくなると(多分)、
左手首をリストカットしました。
その痛みが彼女を生きていると思わせてくれたのではと思いました。
(痛そうな感じを受けました。)
楓は妊娠したことを父親に打ち明けた後、暴行されます。
しかし、まだ小さな命は暴行してもなくなりはしません。
妊娠初期の子宮はまだ妊娠前と同じ卵くらいの大きさで、
膀胱の後ろにあります。
膀胱は500mlのペットボトルくらいの大きさがあります。
なので、暴行を加えたとしても、数ミリの胎児には影響がなく、
膀胱が先に破裂します。
そうすると腹腔内で大出血を起こして、失血性ショックを起こします。
流産する場合は胎児が先天的に弱く生きられない場合に自然と剥がれます。
流産させるために男性が暴行しても、母体へのダメージの方が大きくなり人殺しになるそうです。
公園のブランコで眠ってしまった楓は
その後公衆トイレで流産してしまいます。
持っていた傘の骨を抜き出して、
自分に突き刺しました。
ここで映画は終わってしまうので、なんともいえない気分です。
楓は傘の骨で自殺しようとしたのかな。
どちらにしろ、それでは
多分、死ねないと思います。
彼女の絶望はこの後も続いてしまいます。
願わくば、誰かに保護されて、行政機関に助けてもらえると良いです。
ですが、楓は家庭でのことは言えないのではないか、言わないのではないかと思います。
終わらない青の青の意味を考えてみた
食卓のテーブルの上には赤い花。
楓の部屋のカーテンは赤。
楓が使っていた傘も赤。
じゃ、なぜに終わらない青なんだろう。
青といったら、青春。
父親とのセックスが終わらなければ、
大人になってこの家を出なければ、
楓はずっと青いまま、
子どもというか、
自由にされてしまう人間、
青二才とか言うけど、
そのままなんだろうな、
と考えました。
説明しきれません。
主演女優の水井真希さんは亡くなっていました。
水井真希さんは実際に性被害の被害者となったことがあるそうです。
そしてどうして自殺してしまったのかの理由は明らかにされていません。
32歳という若さですから、憶測が出るのは当然ですが、
苦しみは死ぬことで終わるので、仕方ないところもあるのだろうと思います。
まとめ
主人公の楓役の水井真希さんが自殺されたのは
違う理由で当然なのですが、
父親から性的虐待を受けていたせいだと、映画とリンクして勘違いしてしまいそうです。
安らかに眠ってください。
ご冥福をお祈りいたします。
生きていて、もっと他の演技も観たかったです。
若いのに生きていて欲しかったです。
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