境界線の立会いに協力して欲しいといきなりの訪問でした。
我が家の駐車場の土地は左右前後と違う所有者に囲まれています。
前方は区所有の道路です。
右隣は中規模マンション。
今回は左隣にお住まいの方との境界線の立会いです。
こういうのっていきなりなんですね。
まずは土地の所有者が「今度○○なので、土地家屋調査士を頼むことにしました。立会いに協力していただけると助かります。後日担当がお伺いし、日時決めさせていただきますのでよろしくお願いします。」とかってないのですね。
土地家屋調査士の方がいらして、境界線の立会いに協力して欲しいです。(こんな感じの言い切り調)
もう片方の土地のお隣の〇〇さんは✖日が都合が良いということでした。
一度引き上げていただき、ネットでいろいろ調べ、作戦をたてます。
土地境界線はどのような時に調べるのか。
1.所有地を売るために正確な面積を確定する必要があるとき。
2.相続などで土地を分割するため分筆登記を申請するとき。
3.ブロック塀などを正しく設置するため境界を明確にする必要があるとき。
4.境界線が損壊してしまったため、正しい位置に境界線を復元するとき。
立会いに協力すべきかどうか。
おおむね、立会いに協力した方が良いとのことでした。
わざわざお隣さんがお金を出して、
境界線をはっきりしてくださって、
土地境界確定図をくれたり、壊れているかもしれない境界標(あのたまに見る正方形の石の上に矢印とかがあるもの)を新しいものにしてくれるからです。
筆界と所有権界ってなんでしょう。
初めて聞く言葉でした。
筆界 法務局にある「地図・公図」
地積測量図を手掛かりに見つけていきます。明治の地租改正以来ずっと継承しています。
所有権界 目には見えません。
民法による所有権の概念内に存在し、垣根やブロック塀または境界標などを設置して物理的に現地に表示しています。
筆界と所有権界は本来は一致するはずです。
しかし長い間留守にして管理していなかったり、相続で譲り受けたりしているうちにトラブルに発生することがおきてくることもあります。
何十年も経つうちに土地の値段がだいぶあがってきてしまうこともあります。
お金はみんな大好きですから。
もめます。
筆界と所有権界の不一致への対応ですが、
弁護士さんは所有権界から整理し考え最終的に合意できるかどうかという手順を踏むらしいです。
かたや土地家屋調査士さんは現地で「筆界」を探し、登記等の資料で証拠を検証し、現地を測量し、問題を解決するらしいです。
立会いに協力したとき、こちらが要求できること。
1.筆界の確認。
2.所有権界の主張・証言をする。
3.筆界に関する資料等(図面等)を相手方に求める。土地境界確定図。
4.確認の署名をした場合はその証を残すため、写しを求める。
仕事をお休みして、夫婦で立会いに協力しました。
あらかじめ、土地家屋調査士の方に持っている資料があれば持ってきてくださいと言われています。
所有する資料全部と画像を撮るためにカメラも用意します。
念のため、録音します。
準備万端です。
最初に道路の境界について説明されます。
区の方は先週もういらしていました。
なんで教えてくれないのでしょうか。目の前にいつもいるのに。
次にうちの土地とお隣の境界標確認です。
もう一組の土地所有者のご夫婦もいらっしゃいました。
どうやら調査を依頼された方たちはお見えにならないようです。
我が家の土地は境界標を4つ確認することになります。
そのうちの一つは地中80cmくらい下にありました。
土地家屋調査士の方が道具持ってきますとおっしゃるので、電動のものかと思ったら、手動で少しずつ掘り下げていくタイプで結構お時間かかりました。
もう一組のご夫婦の境界標もかなり地中に埋まっていました。
昭和の建築物だからでしょうか。
土地境界標ギリギリに建物が建っています。
もう一組のご夫婦は「おばあちゃんが違法建築物だって言ってました。」と憤慨されています。
うちの屋根付き駐車場も境界標ギリギリに建っているので、そこはスルーします。
昭和時代はまだ建築物に対して国の検査が緩やかだったのでしょう。
ということにしておきます。
私はそもそも嫁の立場なので、ニコニコすることにします。
現在は土地の端っこから何センチ開けてからでないと建てられないし、高さ制限もあるし、家に斜めも入れないといけないし、制限多すぎます。
土地が狭いからといって、3階建てとか4階建てに出来ないところがつらいですよね。
最近のここら辺の新築の家は少し深く掘って(半地下までは掘らない)駐車場にして3階建てが多いです。
中まで確認してないですけど、もしかすると3階じゃなくてロフトかもしれません。窓がついていることしかわからないです。
もう一つの土地の所有者ご夫婦の境界標も確認し、全部で6個見ました。
1時間半くらいかかりました。
境界標が地中深くに埋まっていたため、掘るのに時間がかかったことが原因です。
書類が作成され、記名押印を求められます。
1週間くらいして、書類に記名押印を求められます。
今回の土地に隣接するすべての方の記名押印を集めてまとめてから提出し、
それから複製した書類を送るそうです。
忘れた頃、書類が届けられます。
土地境界確定図と回りの土地所有者の方がサイン押印された書類が届きました。
境界標は土地の深くに埋まっていましたが、あったので、新しくはしないみたいです。
我が家の駐車場の土地、まだ主人のお父さんの名義ですけれど、相続する前に境界確定図が最新になって良かったです。
5月30日に立会いをして7月ですから、結構時間がかかりました。
8月5日、道路で区役所の方が測量しています。
脚立の上にカメラみたいなのがついているものを担いでいる人を見たことありませんか。
測量しているのですよね。上の画像みたいなの、結構見ますよね。
役所のユニフォーム着用の男女が家の前の道路でそれをやっていました。
そこはもういろいろ終わったはずなのに何やっているか気になります。
気になったけれど、ぼやぼやしている間にいなくなってしまいました。
もしかすると、立会いを依頼したご夫婦が土地を売却するのかもしれませんね。
ここの道路は地域の発展のため、計画的に道路の幅を広げることに協力せねばならず、いわゆるセットバックを推奨されています。
セットバックした部分の土地は相場の価格で行政に買い取られるらしいです。
ここは詳しくは行政により違いがあるかと思います。
ここら辺では今の建物を改築する場合はセットバックの義務はないけれど、新築する場合はセットバックしなければならないです。
セットバックすると
現在の建物より小さくなってしまう恐れもあります。
恐れというか実際小さくなります。
お隣の建物は地下1階地上5階ですので解体工事料金もだいぶお高いと予想されます。
他人事です。
私はここの住民になって30年弱、この町の風景も変わってきました。
土地の境界線の立会いは初めてで勉強になりました。
楽しかったです。
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