この展開は予想できず、
少しヒステリーのあるママ役、ニコール・キッドマンが美しすぎて、
それだけでも観る価値のある映画です。
ホラー大好きで、なぜに今まで観ていなかったのかと夢中になりました。
あらすじ①
1945年、イギリス・チャネル諸島・ジャージ島のお屋敷に
グレース(ニコール・キッドマン)と
女の子アン、
男の子ニコラスが住んでいました。
父親のチャールズは戦争に行ったまま、帰ってきません。
グレースは子どもらを大変愛していますが、厳格に育てています。
アンとニコラスは光過敏症で、カーテンを閉め切った部屋でしか過ごすことができません。
日光を完全に遮るため、
部屋の移動をする時は必ず鍵を閉めることを徹底していました。
子供らがカーテンが開いている部屋に入ってしまわないようにしているのです。
そこへ、使用人希望のミルズ夫人・リディア・庭師タトルがやってきます。
あらすじ②
暗記の勉強をさせるため、アンとニコラスを別々の部屋に移動させました。
すると誰かが泣いているのが聞こえます。
グレースは慌てて、ニコラスの所に行きます。
泣いていません。
アンの所に行くと、
泣いているのはビクターだと言います。
そして、閉めたはずのドアが開いていました。
グレースはミルズ夫人とリディアを叱ります。
自分は完璧だから、鍵を持っているミルズ夫人が鍵を閉めなかったと思ったのです。
その後、シャンデリアが揺れて、足音もしました。
ミルズ夫人とリディアが外にいるのが、見えました。
グレースは銃を取り出し、
何者かが侵入している可能性を疑って、部屋をくまなく調べます。
グレースは物置部屋で古いアルバムを見つけました。
写真の中の人物は目を閉じていて、寝ているようです。
ミルズ夫人にそれを言うと、
「それは死んだ人の写真です」
と言われます。
グレースは邪悪な者の侵入かもしれないと、
神父様に来ていただかなくてはならないと
霧が深い中、外出しました。
あらすじ③
霧が深い森の中で夫チャールズに会いました。
チャールズは疲弊しきっていました。
家に戻っても、何も食べず放心状態でした。
アンに新しいドレスを着させました。
チャールズに見せようかと思ったのです。
アンに汚さないように、すぐ戻ってくると言い、
戻ってくると
アンの手が老婆の手になっていたことから、
グレースは錯乱し、アンを叩いてしまいます。
チャールズは「あの日何があったのか?」とグレースに問いかけます。
グレースは「自分はどうかしていたのだ」と答え、
ふたりは夜を過ごしました。
翌朝、チャールズはいなくなっていました。
そして、家じゅうのカーテンが外されていました。
グレースはまたしても半狂乱になってしまいます。
ミルズ夫人らに
カーテンをつけたら、出ていってくれと申し伝えます。
ミルズ夫人らは「もう我慢ができない」と言って
お墓にかぶせていた枯れ葉をどかすのでした。
叩かれたアンはパパを探すといって、窓から脱出し、
弟のニコラスも続きます。
が、庭にミルズ夫人、リディア、タトルのお墓を発見したところ、
本人らがやってきて、足がすくんでしまいました。
彼らは死人だったのです。
グレースは屋根裏部屋から死んだ3人の写真を見つけました。
そして、子どもらを手元に呼び、3人と戦うことにしたのでした。
あらすじ④
子どもらの為に、頑張るグレースでしたが、怖くて震えていました。
ミルズ夫人に「自分から彼ら(アザーズ)に話しかけて」と言われます。
アンとニコラスは隠れましたが、
老婆に見つかってしまい、叫び声をあげました。
慌てて、かけつけると
「どうして死んでいるのにまだこの家にいるのか」と問いかけられます。
そこでグレースはハッと気づいたのです。
自分らがもう死んでいることを認識したのです。
グレースがどうかしていた日、
彼女は枕で子どもらを窒息死させ、自らも銃で死んでいたのです。
あらすじ⑤
この屋敷に住んでいた一家は自動車に乗り、去っていきました。
息子のビクターがたびたび霊現象に襲われ、怯え切っていました。
それで引っ越すことにしたのです。
残されたのはグレース、アン、ニコラスでした。
たびたびアンが見ていた老婆は霊媒師でした。
感想
ジャンル別ですと、ホラーサスペンスになるかと思いますが、
これは悲劇の物語でした。
愛する人は戦争に行ってしまい、死んでしまいました。
子どもらに帰って来ないと言っていますが、
多分死んでしまったのだろうとグレースは自覚しているでしょう。
1945年ですからね。
使用人がお給料ももらわず、去ったのは、雇い主であるグレースが自殺してしまったからでしょう。
アンとニコラスは難病で、とても気を使って生活しなければなりません。
たったひとりで全てを抱え、グレースはいっぱいいっぱいだったのです。
あの日、どうかしていたグレースは衝動的に子どもらを殺してしまったのです。
そして、自分も銃で自殺したのです。
いつもの自分ではなかったことから、
自分の死を自覚しないまま、現世に残ってしまったのです。
霧の中で会い、連れてきた夫チャールズはグレースにそれを教えてあげたかったのかもしれません。
死んでいる人にも強さがあるのかどうか知りませんが、
チャールズはすぐ消えてしまいます。
使用人のミルズ夫人・リディア・タトルは以前、誰かの使用人として働いていました。
リディアは言葉が話せませんでしたが、
それはグレースの起こした惨劇を目撃したからでした。
あまりのショックに言葉を失ってしまったのです。
なので、生きている間は言葉が話せたのかもしれません。
その後、結核で死亡したのでしょう。
チャールズが戦争に行きさえしなければ、
ドイツ軍が上陸していなければ、
結核が流行らなければ、
子どもらが難病でなければ、
グレースは幸せだったのかもしれません。
ミルズ夫人が人生で1番良い時期を屋敷で過ごしたと言っていることから
グレース親子が成仏できずに屋敷にとどまっているのを助けにきたのだと思います。
ミルズ夫人らが死んだのは墓石の刻印から1851年、時代はグレース親子とかぶってはいません。
屋敷を愛する者同士、助けてあげたかったのかもしれません。
美しいグレースと可愛いアンとニコラスが天国に召されますように。
お読みいただきありがとうございました。
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