「動機はそちらで見つけてください。」
父親を刺した娘が言います。
ホラー映画で疲れた脳を癒そうとしたら想像と違ってました。
北川景子が綺麗すぎます。
手とか白すぎて綺麗すぎて、それだけを見る価値あります。
公認心理師は新しい国家資格です。
北川景子が演ずる真壁由紀は公認心理師です。
平成27年9月に公認心理師法が成立し、平成29年9月に施行された
新しい心理職の国家資格です。
まだできたばかりですので耳慣れない職業ですが、
下記のようなことをするそうです。
「保健医療,福祉,教育その他の分野において,専門的知識及び技術をもって,
- 心理に関する支援を要する者の心理状態を観察し,その結果を分析すること。
- 心理に関する支援を要する者に対し,その心理に関する相談に応じ,助言,指導その他の援助を行うこと。
- 心理に関する支援を要する者の関係者に対し,その相談に応じ,助言,指導その他の援助を行うこと。
- 心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供を行うこと。」
あらすじと感想
聖山なおとは大学で油絵を教える傍ら、自宅でデッサン会もやっていました。
アナウンサー試験の帰り大学に寄った娘聖山環菜に胸を刺され死んでしまいます。
「動機はそちらで見つけてください。」
と環菜は言います。
環菜(芳根京子)に興味を持った真壁由紀(北川景子)は
弁護士(中村倫也)に面談の許可を求めます。
つかみどころのない環菜に翻弄される由紀と弁護士の迦葉ですが、
物語の中で学生時代2人は付き合っていたことがわかります。
お互いのことを包み隠さず話し距離を縮める2人ですが、
最初の夜、2人のそれぞれのトラウマが
越えられない壁になって別れてしまいます。
迦葉は母親に捨てられて、叔母の家で我聞と兄弟として育てられてきました。
軽めですが、
自分より男を選んだ母親を憎む気持ちがセックス依存というかたちで現れています。
法曹の道に進んだのは
愛情溢れる我聞の家庭で育てられ、暮らしていたからではないかと思いました。
由紀の実父は海外で児童買春しています。
幼い頃から、普通のお父さんとは違うことを感じており、(つまり自分も性の対象であったことを知っていた)心を病んでいます。
父親が児童買春していたことは母親(高岡早紀)から聞き、家庭環境はよくないと感じます。
写真家(窪塚洋介)の夫・我聞は優しくて理解があり、大きく包み込んでくれるような男性です。
しかし、父親のことは打ち明けられずにいました。
こんないい人に自分の闇の部分は言えないよなと思います。嫌われたくない、知られたくないと思います。
物語中盤になると
関わっていた男性等から環菜の闇が明らかになっていきます。
聖山なおとは戸籍上は父親であるが、血の繋がりはなく、
母親(木村佳乃)が綺麗だから、その子どもも綺麗だろうと自分の子どもにしたのです。
気持ち悪いですね。
デッサン会は小4~中1くらいまで、強制的にやらされていて
母親は邪魔になるので外出するよう言われていつもいませんでした。
ここが虐待あるあるで
夫に依存した生活なので、娘さえも差し出してしまいますし
裁判での証言も気持ちが悪いです。
自傷行為をすると傷が治るまではモデルを免除されていたりと
美少女を取り巻く環境は劣悪でした。
白いワンピースの環菜の左右に裸の男がふたりいます。
目の前にはモデルの環菜を凝視するたくさんの男がいます。
その中には父親もいて、本当に気分の悪い場面です。
全ての男が美少女環菜を犯しているような気持ちです。
この物語では我聞だけが穏やかで良い人間です。
最後には由紀も我聞に父親のことを話し、受け入れてもらえます。
環菜は懲役8年を言い渡されます。
刑務所に入りますが、解放された表情です。
ファーストラブ 勝手に推測
由紀の場合
迦葉との恋:成就しなかったけれどお互いをさらけ出して付き合っていました。
環菜の場合 かなり無理があるかもしれませんが、私の意見として。
小泉裕二君との恋
環菜が12歳のとき、怪我の治療をして仲良くなりました。コンビニの店員さんでした。当時18歳くらいです。家に帰りたくないと言う環菜を自分のアパートに泊めます。子ども相手にいけないことだと知りながら、性的なこともしたようです。その際、環菜は慣れているから大丈夫と話しています。父親に見つかり終わってしまいます。
事件後、証言をお願いしますが、結婚しているし子どももいるからと拒否されます。裁判に現れて、大事な証言をしてくれます。「2歳の娘がいる」と言っていました。
この証言は重要であったと思います。
父親が変なことに気づいていたのに助けてあげられなかったと言っています。なかなか難しいことで、できないと思います。
自分も当時小学校を卒業したばかりの環菜に手を出していたのに、できませんよね。裁判で勇気を振り絞って証言してくれただけですごい人です。
現実にはいないでしょう。
できないと思います。
すぐにネットニュースになり、住所顔名前を特定されて生きていけません。
奥様や子どももいるなら尚更できません。
ですので、小泉裕二君を善良な人間(人間は反省できるから証言してくれたことで)に認定し、ファーストラブにしました。
父親のデッサン会のモデルをやっているよりは小泉裕二君の方がマシと思っただけかもしれませんが、
環菜が自分で選んでいるのです。
なんか悲しいですよね。
女の子なのに、女性には救いを求めてないです。
母親が助けてくれるはずなのにしていません。
せめて、おばあちゃんとかがいてくれたらよかったのに。
男性だったら自分に優しくしてくれるって、それがわかっています。
環菜みたいな女の子は現実にもいそうです。
まとめ
役柄が憑依している俳優がみんないいです。
由紀の母親役は高岡早紀さんでした。
自分の夫が海外で児童買春していると娘に打ち明けますが、
自分が楽になりたいために娘にも言ったような気がします。
夫に依存した生活だから別れることができないのか、ひょっとすると由紀がいるから離婚できないとか思い込んでいるのかもしれない酷い母親役でした。いい味出てました。
もっとすごいのが環菜の母親役の木村佳乃さんです。
母親のクズっぷりが存分に伝わってきました。
自分は正しい、おかしいのは環菜と証言しています。
彼女もまた男性に依存する女性なのでしょう。
第一線で活躍されている俳優さんがそれぞれの役になっていて、
本当にこういう人なんじゃないかと思わせる演技です。
写真家の窪塚洋介さんがいいご主人役で、こんな人が自分の夫だったら幸せだろうなと穏やかな気持ちになりました。
由紀は穏やかで温かい家庭があるから幸せです。
コメント