こんな恋はしようと思ってもできないから、
それでも、
もしもこんな恋をしてしまったら、胸が苦しくて生きているのがつらいかもしれない。
もし、こんな恋ができたら、一生の糧になる。
いい映画でした。
自分よりも相手を思いやる恋愛は切ないですね。
ナラタージュってどんな意味なのかなって思いませんでしたか?
narration
montage
の意味を合わせて作られた造語だそうです。
映画等で用いられている技法でナレーションや回想によって物語が作られています。
雨が降るたびに、今も私はあなたを思い出す。
これは映画の中の有村架純さんが言うセリフのひとつです。
そんな人、誰でも持てるわけではないと思います。
若い頃、好きだった人は今もそのままの姿です。
自分は誰かのそんな人になれていたらいいのになって、思いました。
あらすじ①現在
オフィスで残業している工藤泉(有村架純)、
雨が降っています。
濡れて帰ってきた同僚(瀬戸康史)にタオルを渡します。
静かに古い懐中時計を眺めます。
時計は止まったままです。
あらすじ②大学2年生 夏
葉山先生(松本潤)から
高校演劇部の部員が少ないから手伝って欲しいと連絡がありました。
高校卒業式の後、意味深にキスをされてからずっと思っていた葉山先生。
渡せなかった手紙を今もずっと持っています。
泉の心は揺れますが、葉山は思いを受け止めてくれません。
葉山を思いきるため?演劇部の助っ人小野君(坂口健太郎)と付き合い始めます。
小野君は自分に素直な人間で、泉を大事に思っています。
この映画では葉山が優しすぎて少し束縛する彼氏みたいなイメージになっています。
夜中、葉山から電話があり
そのことを小野君に言わなかったことで、
小野君のやきもちスイッチが入ってしまいます。
あらすじ③高校3年生 春
居場所のないひとりぼっちだった自分を救ってくれたのは葉山先生でした。
しかし葉山も泉から頼りにされることで、気力を取り戻していました。
泉に救ってもらったと感じています。
葉山は結婚後、実母と同居させ、精神的に弱っていた妻(市川実日子)に気が付きませんでした。
妻は物置に放火し、姑のいる自宅にも放火しようとしたと言ったことから、
執行猶予のつく犯罪者になってしまいました。
奥さんの心を守れなかったことや奥さんの両親から責められたことで、東京を去ったのです。
離婚はしていませんでした。
あらすじ④大学2年生
帰宅時、変質者がついてきて怖くなった泉は小野君に助けを求める電話をします。
でも
小野君は「助けにいったら、もっと僕のことを好きになってくれるかな」などと
言い、そこで運が悪くバッテリーが切れてしまいました。
小野君は小野君で泉が葉山に宛てた手紙や写真を大事に持っていたことで傷ついていたのです。
泉は葉山のところに行きます。
葉山は電話してくれたら、迎えに行ったのにと言ってくれました。
気持ちには答えてくれないのに、こんな言葉聞きたくないと
泉は思ったに違いありません。
奥さんのことで、悩んでいる葉山に言います。
私にできることはありませんか。
何でもします。
いやいやいや、こんなこと言ったら葉山だって平気ではいられないと思います。
でも答えない葉山。
帰りのタクシーから、手紙と写真を破き捨てました。
小野君に、それを報告します。
泉は小野君の気持ちもよくわかっているのです。
あらすじ⑤大学2年生
泉の部屋で小野君と寝ていると着信がありました。
高校演劇部の後輩ゆずこが自殺したという連絡でした。
泉は小野君と駆け付けます。
葉山はゆずこを救えなかったことで憔悴しています。
病院を去るのですが、
泉は小野君に別れを言います。
「その場に手をついてあやまれ」
「靴を脱いでいけ」
とモラハラ全開の小野君ですが、
小野君の胸も泉を思う気持ちで痛かったと思います。
3日目の朝、ゆずこは死んでしまいます。
ゆずこは知らない男にレイプされていたのです。
あらすじ⑥大学2年生
葉山は東京に戻ることを泉に伝えます。
最後にと
葉山の部屋で結ばれるふたり。
朝、葉山が目を覚ます前に去るのですが、
電車に乗ると窓から葉山が見送っているのが見えました。
あらすじ⑦オフィス
同僚が懐中時計にはポルトガル語でメッセージが刻印されていたと教えてくれました。
幸せになって欲しい。
葉山が巻いた分だけしか動かさず、それ以降巻かなかった時計の針が
動き出しました。
感想
二人の愛は成就しなかったことで、いつまでも美しいままなのです。
それは二人が選んだことです。
妻と別れて、泉と付き合ったら、葉山はそれまでの葉山でなくなります。
泉もそうなのです。
お互いに救いあって、惹かれあって、でも葉山は妻と離婚していませんでした。
まっすぐな思いでぶつかってくる泉、しかも可愛い、
惹かれないはずがない。
葉山の理性はすごい。よく我慢できました。
電車から葉山が見送ってくれてたのを見た泉、次の駅で引き返さずよく我慢できました。
二人は常識的人間、モラルがあるから美しく終われたのだと思います。
小野君は普通の青年、小野君はストレートに言っているし、怒るのも無理ないと思います。
自分と付き合っていながら、手帳に写真と手紙を入れていつも持っているって裏切りだよね。
せめて、箪笥にしまっといて欲しいです。
自分と寝た夜、葉山からの呼び出しで病院に行き、
その後すぐ別れてくれって言われてみなよ、半狂乱になるわ。
人の気持ちは自由にできないから、まだ未練のある相手がいる人と付き合っちゃいかんということですね。
小野君だって、何かにつけ、泉のことを思い出してしまうことでしょう。
泉に作ってあげた靴、
小さなサイズの靴を見るたびに、大好きだった泉を思い出してしまうかも。
小野君の母親役で堀ちえみさんが出ていました。懐かしかったです。
お読みいただきありがとうございました。
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