命を失った代償には別の命を差し出せ
というような
理屈で
1人の少年が4人家族を追いつめていくところが怖かった。
この少年にそんな力があるのか?
それとも神の考えなのか?
あらすじと感想①
心臓外科医のスティーブンは
美人で眼科医のアンナ(ニコール・キッドマン)、
成績が良く可愛い子どもキムとボブと豪邸に住んでいた。
スティーブンは家族の中では絶対的な存在に見える。
妻とのセックスは、
妻に全身麻酔をかけた時のようにだらーんとしてもらってから始める特異なスタイルだ。
最初のセックスシーンでは
妻が上下の下着だけを身に着けた状態で
ベッドの上に横たわる。
スティーブンはそれを見ながら、
自分のものをもてあそび、妻に覆いかぶさっていく。
気持ち悪い。
スティーブンは時々マーティン(バリー・コーガン)と会っていた。
マーティンは礼儀正しい少年だがかなり気味が悪い。
後にスティーブンは3年前マーティンの父親を手術中に死亡させていたことがわかる。
なので、最初のうち、スティーブンは自分の過失(アルコールを摂取したのに手術をした。)のせいで
罪の意識もあり、
彼と会ったり、時計をプレゼントしていたとわかる。
(後で彼がアルコール摂取やめたのが3年前とわかるので、
マーティンとの付き合いもそのくらいなのかもしれないと思った。)
スティーブンはマーティンを自宅に招待する。
マーティンは家族に気にいられた。
この日からマーティンは変化し始めた。
(家族を紹介したのはスティーブンのミスだと思った。)
マーティンはスティーブンに対して無茶を言うようになった。
マーティンは父親を死なせたのはスティーブンだから
埋め合わせにお前が父親になるのが当然という理屈の持ち主だった。
自分の母親にも夫がいないのだからスティーブンをあてがうみたいな感じだ。
スティーブンはマーティンの母親に誘惑されたが、振り切ってきた。
マーティンは
スティーブンの家族のうち、誰かひとりが死ぬと言い出した。
ある朝、
弟のボブの両足が使えなくなり、食物を受け付けなくなった。
スティーブン夫妻はありとあらゆる検査をしたが、原因は不明、
次に姉のキムの両足が使えなくなり、食べられなくなった。
次はアンナの番だった。
あらすじと感想②
マーティンはボブを見舞った。
そして耳元で
スティーブンに後で必ず病院のカフェに来てと無茶を言った。
医者は忙しいのだ。
マーティンはカフェでスティーブンに時間がないと言われ、
早口でとんでもないことを言い始めた。
スティーブンの家族のうち1人が死亡する。
誰が死亡するかスティーブンが選んでいい。
スティーブン自身は死亡しない。
死亡に至るまでは4つの段階を踏む。
①足が動かなくなる。
②食事を受け付けなくなる。
③目から出血する。
④死亡する。
この時の衝撃的な発言はマーティンの異常さを際立たせていた。
早口が怖い。
ボブとキムは原因不明で食事もとれないので、退院して自宅療養することにした。
ここからがすごい。
ボブは髪の毛を自分で切り始めた。
(パパが長い髪の毛を切れと言った時は切らなかったのに。)
そして腕だけで這ってスティーブンのところにいく。
本当はパパみたいな心臓外科医になりたいんだとも言った。
(以前はママと同じ眼科医になると言っていたのに。)
スティーブンに命乞いしたのだ。
キムは私を殺して欲しいと言う。
それで家族が幸せになるならと心にもないことを言うのだ。
(後でキムは聖なる鹿殺しが入っているギリシャ神話のレポートを書いていて、それが抜群の成績だったとわかる。)
アンナはスティーブンに恐ろしいことを言う。
「選ぶなら2人の子どものうちどちらかでしょ、子どもはまた作れるし。」
みんなスティーブンに命乞いしているのだ。
スティーブンはマーティンを拉致し、地下に監禁した。
そこで暴力を使い、子どもらの身体を元通りにする方法を聞かせろと脅した。
マーティンは何も言わなかった。
キムは腕だけで這ってマーティンのところに行き、煙草の差し入れをする。
ライターで火をつけてあげる。
アンナはマーティンがスティーブンに殴られた部位の治療をしてあげる。
そして、彼に跪き足の甲にキスをした。
みんな生き残るために必死だ。
ボブの目から出血した。
タイムリミットが迫る。
スティーブンは覚悟を決めた。
ボブとキムとアンナを椅子に括り付け、
スティーブンは目隠しをしてグルグル回り、ライフルを撃った。
アンナはスティーブンお気に入りのドレスを着用し、最後まで気を引く。
彼女にとって、子どもらはまた作れるから自分が1番大事なのだ。
撃たれたのはボブだった。
あらすじと感想③
以前マーティンとスティーブンがあっていたカフェに
キムとアンナとスティーブンがいた。
後から、マーティンが入ってきてカウンターに座った。
キムはポテトにケチャップをかけて食べていた。
マーティンは話しかけなかった。
まるでボブが死んだから落とし前はついたと思っているようだった。
3人は店を出た。
これでおしまいだ。
ギリシャ神話の鹿を殺した罪 (タイトルの伏線回収として)
ギリシャ軍の総大将アガメムノンは女神アルテミスの聖獣である鹿を誤って殺してしまう。
怒ったアルテミスはトロイア戦争へ向かうギリシャの船団を出発できないように無風状態を起こした。
預言者かルカスから「アルテミスの怒りを鎮めるにはアガメムノンの娘イピゲネイアを生贄に捧げよ」と告げられた。
アガメムノンは苦悩の末に娘を生贄とする。
しかし、アルテミスがそれを哀れに思い、娘を鹿とすり替えて助けた。
という説と
そのまま娘を捧げたという説があるらしい。
しかし、娘を捧げた恨みからアガメムノンは妻とその愛人に暗殺された。
感想
きっかけの悪はスティーブンだ。
彼は飲酒していたにもかかわらず、手術をし、マーティンの父親を殺した。
3年前だ。
医者を続けていることで地位は大丈夫だったが罪の意識だけ残った。
その罪の意識がこうなった。
スティーブンは医者である妻にもこのことを打ち明けていなかった。
妻は死んだマーティンの父親を調べるために
麻酔科医の友人に性的奉仕をする。
なぜ妻は無事だった(最後まで歩けた)のかそこが疑問だ。
妻は家族でなかったのだろうか。
それとも真実を突き止めることに努力したからだろうか。
(麻酔科医に性的奉仕のこと)
自分だったらどうするだろう。
子どもは助けたいと思うが
夫の罪で自分が死ななければならないのは納得がいかないとジタバタするとは思う。
ボブが死んでスティーブンの罪はなくなったのか?
そうではないだろう。
後味が悪いし、マーティンは本当に気味が悪かった。
お読みいただきありがとうございました。
