とんび 杏の姉さん女房役がドハマりでした。母親が死んだから知り合いみんなで子どもを育てるのは普通にあった時代。ゆずの歌に感動。

鳶が空を飛ぶ 映画鑑賞

昭和20年から30年代、

当時、墨田区に住んでいた父が話してくれました。

結構しっかりめに覚えていることから、私も衝撃を受けたのだと思います。

どこどこの長女が結婚する前に子ども出来たから、産んだらもらって自分ちの子にしてしまったとかのぶっ飛んだ話もありました。

たくさん子どもを産んだので、お金持ちの家にひとりあげたっていうのもかなり驚きました。

これは私のおばあちゃんの話です。

父親の姉は近くのお金持ちにもらわれていって、彼女自身も初めから誰の子か知っていて、親戚付き合いをしていました。

父親の兄夫婦はなかなか子どもが出来なかったから、知り合いからもらったみたいと聞いていました。

長男夫婦なので、そのもらった子は私には従兄弟にあたるのですが、

普通に一緒に遊んでいたし、

本当は親子じゃないって、本人も回りも知っていてオープンでした。

暗さがまったくありませんでした。

記憶では

私が小学生くらいになると日本の生活レベルが上がってきて、

いわゆる核家族化が進んできたと思います。

しかももらわれっこがいけないみたいになってきて、隠すような風習になってきました。

親と血液型が合わなくて、親子じゃなかったみたいなドラマがあったから、

ますますそんな風になっていったのかもしれません。

父親は

兄・兄・姉・姉(養女になった)・兄・父親・弟・妹の8人兄弟でした。

お正月は祖母の元に集まって、宴会が常でした。

母親は

兄・姉・兄・兄・母親・妹の6人兄弟でした。

下町育ちは一緒ですが、少し毛色が違う、下町のお嬢様と言われていました。

とんびはそんな時代で、舞台が田舎だったのが少し違う点かもしれませんが、

回りのおせっかいな人間模様は似ているなと思いました。

今では養子縁組とか里親制度とか、法律にのっとりいろいろ手続きをしないといけません。

パスポート作製の時に自分は本当はお父さんとお母さんの子どもじゃなかったとか

深刻になるのって、そんなアバウトな人達がいたせいかもしれません。

大事な事って隠さない方がいいのかもしれませんね。

あらすじと感想

妻に先立たれるも子どもを育てていく愛情深いけれど、不器用な男の話です。

昭和37年から現代までを描いています。

ヤス(阿部寛)は不器用な男です。

いろいろな場面で煮え切らない態度にイラっときます。

愛情をうまく伝えられません。

妻はヤスにはもったいないと言われています。

妻が出産し、幸せでしたが、子どもをかばったせいで、死んでしまいます。

ヤスは子どもに本当のことが言えません。

回りの人間に支えられ、

子ども、アキラ(北村匠海)は成長し、親元を離れていきます。

北村匠海の高校球児姿は少し違和感がありました。

後輩に暴力することを父親に責められる、そのエピソードが必要だったからかもしれません。

アキラは優秀で東京の大学に進み、就職します。

ヤスは寂しかったと思います。

でもそんな親はたくさんいます。

就職試験で書いた論文にヤスのことが書いてあり、それが好評だったようです。

後にアキラは物書きになっていました。

出版社で出会ったバツイチ子持ちの女性(杏)と結婚すると知った時も

ヤスは自分の気持ちを言葉にして話せません。

この杏と北村匠海がすぐ年上とわかる、丁度いい塩梅でカップルというのが

私にとってドハマりでした。

杏はすでに妊娠しているという設定で、これは認める認めないの話じゃないよねとも思いました。

最後はヤスの葬式後のシーンでした。

おじいちゃんは幸せだったのか?

という愚問を孫が言っていましたが、

幸せとかそうじゃないとか本人しかわからないけれど、

息子が立派に育って、結婚して、子ども出来たら

もう親としては上出来の人生だと思います。

お読みいただきありがとうございました。

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