愛を積むひと 2015年日本映画 佐藤浩市・樋口可南子・野村周平・杉咲花

愛を積むひと 映画鑑賞

北海道美瑛で撮影されたそうです。

北海道美瑛と言えば、映画「糸」でも雄大な景色がたくさんありました。

今回、家の中の撮影が多く、それほど北海道美瑛町は映ってなくて、そこが残念です。

夫婦揃っていつまでも生きられるわけではありません。

人間には寿命がありますからね。

お互いを思いやる心が溢れている映画でした。

あらすじと感想

東京都大田区蒲田に住んでいた夫婦が

奥様、良子(樋口可南子)の希望で北海道美瑛に引っ越しました。

仕事一筋で人付き合いの苦手なご主人、篤史(佐藤浩市)は、家で本ばかり読んでいる生活です。

工場の社長だったのにいきなり読書家になるっているのもなんなんだけど。

そこで

良子の提案で石塀を作ることになりました。

押し切られるご主人なんだけど、ちょっと普通は無理かも。ぎっくり腰になっちゃいそうです。

石塀造りを通して、知り合いも増えて、人間関係も構築されてきました。

でも

元々心臓が悪かった良子は突然死んでしまいます。

落ち込む篤史ですが、

良子が生前書いていた手紙を受け取り、

回りの人間に支えられたり、

また今度は

篤史が支えたりして、

最後は石塀も完成させていく物語です。

良子は自分の命が短いことを知っていたにもかかわらず、

あっちゃんに心配をかけたくないと言いませんでした。

それは夫婦なのだから、きちんと話しておくべきことではないかと思うのですが、

映画ですからスルーします。

良子は自分が死んだ後、あっちゃんが廃人にならないよう、考えに考えてそうしたのだと思います。

だから良子のあっちゃんへの愛は深いのです。

あっちゃんのことばかり考えていたのです。

1通目の手紙

紗英ちゃん(杉咲花)が持ってきました。

私が死んだら、渡して欲しいと言付かっていました。

あっちゃんと結婚して幸せだった。

出来れば、石塀を完成させて欲しい。

石を積んでいるあっちゃんを空の上から見て見たい。

やることないよりあった方がいいと思います。

単純作業を汗をかきかきやり続けることで、良子の死を乗り越えていける感じもします。

身内の死は、本当にこたえますから。

2通目の手紙

泥棒が盗んだネックレスの箱の中に入っていました。

良子は

犯人が捕まれば、ネックレスが戻り、箱を見るだろうと思ったこと、

石塀造りを手伝っていた徹(野村周平)が泥棒であるとわかっていたこと、

徹が

犯人は自分だと言い出せなかったこと

そして

徹が泥棒に入ってからも石塀造りを続けていたことが反省にあたるので責めないで欲しいことが書いてありました。

篤史は被害届を取り下げ、

職や住むところを無くした徹を同居させることにしました。

それから

紗英の妊娠がわかります。

そんな徹なので、紗英の親は反対しますが、篤史は間に入って取り持ってあげました。

紗英の父親は石狩の牧場で1年間修業することで認めると言ってくれました。

良子の死で落ち込んでいたのに、人の世話をするくらいになっています。

良子の気持ちがよくわかったのだと思います。

3通目の手紙

停電の晩、紗英の父親(柄本明)が酒を持ってやってきました。

酔っぱらって、お前の娘の写真を見せろというのです。

一人娘聡子(北川恵子)とは疎遠になっていました。

聡子が不倫した際、相手の奥様が自殺未遂を起こし多くの人間に迷惑をかけたことが許せなかったのです。

ですが、本当は愛しているに決まっているのです。

手紙は古いアルバムに挟んでありました。

良子は

聡子にきちんと愛情を伝えて欲しいことをお願いしました。

篤史は知人の結婚式の帰り、聡子の所に寄りますが

聡子は子持ちの男性とお付き合いをしていました。

結局、何もせず帰ってしまいます。

聡子もなぜに普通の独身男性を選ぶことしないかなあなどと突っ込みたいところです。

あんなに美しいのに。

石塀完成

石塀が完成したので、良子の遺影をリュックに入れ、

約束した十勝岳の登山をしますが、急な天候の変化等もあり、

転落し、意識を失ってしまいます。

東京から聡子が見舞いに訪れ、実家に戻ると

袋の中に真珠のネックレスと手紙を見つけます。

「お母さんの形見が君を見守ってくれればと思います。」父より

聡子は泣き崩れ、父の愛を知るのでした。

翌日、意識が戻った篤史の前で恥ずかしそうにネックレスをした自分を見せる聡子。

良子のネックレスが2人の中を修復したのです。

人との出会い、そこまでいかなくても付き合いをすることで、人間は変わることができると思います。

紗英と父親(柄本明)は血が繋がってはいませんが、

父親は紗英のことを心配し、愛情を注いでいるのがよくわかります。

そういうのを見た篤史も気持ちに変化があったのだと思います。

聡子が子どもがいる男性と結婚したっていいではないかと。

死んでしまった良子は無念だったと思います。

もう少し、篤史と過ごしたかったと思います。

こんなに思いやる夫婦にはなれそうもありませんが、優しい気持ちにはなりました。

お読みいただきありがとうございました。

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