哭声 コクソン 2017年 何を信じ何を疑うのか、観る者に問う。怖いし笑えるし國村隼の怪演がすごい。

映画鑑賞

ルカによる福音書24章37-39節

人々は恐れおののき

霊を見ていると思った

そこでイエスは言った

”なぜ心に疑いを持つのか

私の手や足を見よ

まさに私だ”

”触れてみよ

このとおり肉も骨もある”

これはイエス様が復活された夜の出来事らしいです。

この文章は最後の方に謎の日本人が似たようなことを言うので、覚えておくといいと思います。

① 警察官ジョングの家族

父親:ジョング(クァク・ドウォン)警察官なのに意気地なしで笑える。娘を大事にしている。

母親:ヒョジンを愛している。

娘:ヒジョン(キム・ファニ)圧巻の演技。

おばあちゃん:ヒョジンを大事にしている。

みんなヒジョンを可愛がっています。

ヒジョンが病気になってしまい、祈祷を受けることにしました。

② ジョングの仲間

警察官や肉屋の4人の男達:ジョングの娘ヒジョンを救う為、

日本人の男をやっつけに行く。

男の家に行くと、トラックにいた死体パクチュンベがゾンビ化して襲ってきたので5人で戦う。

ゾンビは死んでいるものだから、死なない。

パクチュンペはなぜ蘇ったのか。

結局、ゾンビは勝手に死んだ。

呪い殺したのは

謎の日本人

白いワンピースの女

だと思われる。

それともキノコの毒がまわったのか?

2人とも、ジョングらがゾンビと戦うのを見ていた。

ゾンビが死んだ後、

謎の日本人を追い詰めるが、逃げられてしまう。

村に帰ろうと車を飛ばすと、

急に出てきた日本人を吹っ飛ばし、殺してしまう。

日本人の死体を崖下に捨てる。

その様子を白い服の女が見ていた。

謎の日本人は白い服の女と戦っていて、誤って道路に落ちてきてしまったようにも思える。

③ 謎の日本人 國村隼

最後まで謎でしかない人物。

漢方薬販売をしていた男は

山の中、ふんどし一丁になり鹿を貪り喰う日本人を見た。

異常な事件はその日本人が怪しいとジョングに言う。

ジョングと仲間のソンボク警察官が日本人を訪ねると留守だったので、家探しを無断でした。

今まで異様な事件で死んだ人達の生前と殺害されてからの写真が貼ってあった。

次に訪ねた時には写真はなかった。

ジョングの母親、おばあちゃんが頼んだ祈祷師が呪術を始めると

日本人はトラックの死体・パクチュンべの写真を前に同じく呪術を始めた。

日本人はパクチュンベの死体を見ると、滝行をしていた。

何か意味があるのか。

パクチュンベを生き返らせようとしているのでは?と思った。

④ 祈祷師 イルグァン/ファン・ジョンミン

ジョングの母親に頼まれて呪術をする。

胡散臭く、笑える呪術をするが、ジョングの娘ヒョジンは苦しんでいた。

2回目の呪術「殺」の時、ジョングに途中で遮られてしまう。

日本人はパクチュンベの写真に祈祷していたが、

この祈祷師の呪術で弱っていったように見えた。

ジョングの家へ行くと、

突然鼻血が出る。

そして白い服の女を見ると怯えて

嘔吐する。

荷物をまとめて車に乗り、ソウル方面に向かうも

不思議な現象が起き、戻ることになる。

ジョングに何度も電話する。

ジョングに「日本人が悪霊ではなく、白い服の女が悪霊だ!」と言う。

ダッシュボードから箱が落ち、その中に血だらけの現場写真が多数入っていたことから

日本人とグルなのでは?と考えることもできる。

ジョング一家の凄惨な現場もカメラにおさめたことからただの収集家とも考えられる。

⑤ 白い服の女:ムミョン/チョン・ウヒ

事件現場である焼失した家に来る。

事件の詳細を語る。

おばあさんが女を助けようと祈祷師を呼んだ。

女は嫌がっていた。

だから殺した。

よそ者、つまり日本人が悪霊だと言う。

この家にも金魚草とみられる結界がぶら下がっていたことから、

白い服の女は村人の守り神なのでは?

⑥ 牧師と助祭

牧師:ジョングにヒョジンを病院に連れていきなさいとさとす。

助祭:ソンボクの甥でイサム、日本語ができるため、かりだされる。

イサムは最後日本人の正体を暴こうと洞窟みたいなところに行く。果たしてどうなったのかわからないで終わる。

上記の登場人物をおさえておくといいと思う。

あらすじ

コクソン村に異常な事件が発生する。

身内が加害者と被害者になっている。

加害者は皆正気を失い、目は濁り、皮膚には湿疹がある。

捜査が進み、専門家によると毒キノコの幻覚作用ということだった。

しかし、それでは納得できず、山の中に住みついた日本人が怪しいということになる。

雨の夜、警察署前に裸の女が立つ。

ジョングは叫び声を上げる。

翌日、女は首つり自殺をしていた。

女は謎の日本人を怒らせたみたいだった。

家族を殺し、家を火事にした。

ジョングらは

日本人の所に行こうと

鹿肉を食べていたのを目撃した男を同行させるが、

いきなり雷がなり、男はそれに打たれ、病院に連れていかれる。

病院では、先に入院していた事件の加害者が突然苦しみ出し、

激しい痙攣で死んでしまう。

ジョングが家に帰ると娘のヒョジンが熱を出しうなされていた。

「助けて!知らないおじさんが入ろうとするの」

ジョングは同僚ソンホクとその甥イサムを連れて

日本人の元に向かう。

留守だったが、家探しすると

被害者らの写真や品物があった。

帰りの車でソンホクがジョングに

あの家にヒョジンの靴があったと見せる。

翌日

ジョングらは再度日本人の所に行くが、写真等は燃やして残っていなかった。

ヒョジンを隣のおばあちゃんにあずけて、出かけたら、

ヒョジンはおばあちゃんを

殺してしまった。

ヒョジンの為、祈祷師を頼むこととする。

簡単な呪術では良くならず、

「殺」を送るので祈祷師に金をよこせと言われる。

祈祷師はふんどしを身につけていた。(日本人のふんどしとかぶる)

「殺」の祈祷をした日

ヒョジンが苦しみ出す。

同日、日本人も祈祷している。

日本人はパクチュンベの写真を前に何やら祈っているが、

彼自身も苦しんでいるようだ。

ヒョジンの苦しんでいる様子にジョング夫婦は我慢できずに

呪術を中止させる。

その後

牧師さんに相談

すると病院に連れていきなさいとのこと。

ヒョジンの容態は極めて悪い。

仲間を集めて

ジョングは日本人をやっつけに行く。

日本人を捜すとおらず、

トラックにいた死体パクチュンベがゾンビ化して襲ってきた。

ゾンビは強い。

が勝手に死んでいった。

そのそばに日本人を見つけ、追いかけるも逃がしてしまう。

村へ帰ろうと車を飛ばすと

誰かを引いてしまい、それは日本人だった。

死んでいたので、崖からころがして始末した。

山から白い服の女がその様子を見ていた。

祈祷師は逃げる

ジョングに連絡しつつ、家に向かうと白い服の女がいた。

すると

止まらない鼻血や嘔吐。

荷物をまとめてソウル方向に向かうも幻覚にあい、

再びジョングの家に向かう。

ジョングにはその白い服の女が悪霊だから絶対に信じるなと伝える。

白い服の女はジョングに

「金魚草の呪い封じをつけてきた。

にわとりが3回鳴くまで家に入るな。」

と言う。

ジョングはにわとりが2回鳴いた後、我慢しきれず家に入ってしまう。

妻、母親は血だらけで死んでいた。

目の前にヒョジンが現れる。

イサムは洞窟にいる日本人を訪ねる。

一体お前は何者だ?

日本人は、信じること(相手を見る目)によって

相手の存在の実像は変わる。

あなたが見るとおりに私はなる。

そうしたら、悪魔になっていった。

手のひらにはイエスキリストが十字架につるされた時に打たれた釘の傷があった。

日本人はイエスなのか?

ジョングの家

縁側に放心状態で座るヒョジン、

ジョングは血だらけで死にそうだ。

息絶えるまで、ヒョジンを心配している。

そこへ、祈祷師イルグァンが入ってきて、凄惨な現場をカメラにおさめている。

まとめ 毒キノコの仕業

ナ・ホンジン監督からのメッセージによると

観る方が好きに考えればよいとのことで、ますます混乱します。

コクソンという村は実在するそうで、監督が過ごしたところでもあるそうです。

映画中、最初と途中のテレビ番組で事件は幻覚の起こるキノコのせいだと言っています。

素直に毒キノコの幻覚作用で村中の人々が狂ってしまったと考えれば、

あまり面白くなくなります。

村人がこぞって食べる健康食品の中に毒キノコが入っていたと考えれば、

みんながみんな薬物中毒になります。

最初の男は家族を殺し、逮捕され入院したけれど、キノコの作用が残り、それで病院で痙攣して死亡。

警察署の前に裸で立ってた女は家族を殺し、家を燃やし、首を吊って死ぬ。

ジョング家族もヒョジンから毒キノコにあたったのかもしれない。

ジョングの同僚警察官ソンボクも毒キノコにあたり、家族を殺したのだ。

毒キノコの幻覚作用と考えれば、どれもうなづけます。

人によって、感覚が違うから同じものを食してもみんながみんな人殺しになるわけではないだろう。

白い服の女は自分を山の精だと思う幻覚。

日本人は本当に旅行で来たのに、毒キノコにあたって、神になった気になる。

助祭のイサムは幻覚で日本人が悪魔に見えたのかもしれない。

そこを聖書の一節がまとめてくれました。

みんなの見たいように見ている姿が本当で、

見えるし触れるのだ。

まとめ 神の戦い

神は人間にとって良いことばかりするわけではありません。

神は気まぐれです。

コクソンに遊びに来た日本の神は村が気にいってしまった。

居つこうとし、祈祷する。

コクソンの祈祷師イルグァンを味方につけ、

村の守り神、白い服の女は阻止しようとするが、なかなかうまくいかない。

敵対する神の犠牲者は村人たち。

神の戦いによって精神が狂い出して、殺し合ってしまった。

感想まとめ

吹替版を観て、字幕版を観ました。

ヒョジン役の女の子の演技がこれ以上は無理っていうくらいの出来映えで、拍手喝采。

コクソンは観るたびに感想が変わっていくかもしれません。

違う場所にいる日本人と白い服の女とジョングの目線が何を見て、何を考えているのか

気を抜けないシーンがたくさんありました。

お読みいただきありがとうございました。

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