国宝/任侠の喜久ぼんと歌舞伎の俊ぼんの対比・ずっと探していた景色が見えた時喜久雄は国宝になった。歌舞伎の世襲制度、魅力、批判ひっくるめて学べる 唯一無二の存在この世ならざる美しい顔を持つ吉沢亮が苦慮するところがハマる。横浜流星に泣ける。

映画鑑賞

喜久雄がずっと探していた景色が見えた時、彼は国宝になったと思った。

映画「国宝」は歌舞伎の世襲制度や魅力、

そして歌舞伎役者への批判がひっくるめて学べると思った。

芸のためなら、何でもあり。

現在の歌舞伎役者さん達が起こしてきた様々な事柄をまとめたように思えた。

隠し子

借金

そして坂東玉三郎さん

原作者:吉田修一

あらすじ 全部AmazonPrimeからお借り致しました。

後に国の宝となる男は、任侠の一門に生まれた。

この世ならざる美しい顔をもつ喜久雄は、抗争によって父を亡くした後、上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎に引き取られ、歌舞伎の世界へ飛び込む。

そこで、半二郎の実の息子として、生まれながらに将来を約束された御曹司・俊介と出会う。

正反対の血筋を受け継ぎ、生い立ちも才能も異なる二人。

ライバルとして互いに高め合い、芸に青春をささげていくのだが、多くの出会いと別れが、運命の歯車を大きく狂わせてゆく…。

誰も見たことのない禁断の「歌舞伎」の世界。

血筋と才能、歓喜と絶望、信頼と裏切り。

もがき苦しむ壮絶な人生の先にある”感涙”と”熱狂”。

何のために芸の世界にしがみつき、激動の時代を生きながら、世界でただ一人の存在”国宝”へと駆けあがるのか?

圧巻のクライマックスが、観る者全ての魂を震わせる――。

©吉田修一/朝日新聞出版 ©2025 映画「国宝」製作委員会

主な登場人物

吉沢亮:立花喜久雄:花井東一郎➡花井半二郎➡五代目花井白虎 人間国宝

永瀬正敏:立花権五郎:立花組親分:抗争で死亡

宮澤エマ:立花マツ:権五郎の妻:喜久雄の継母

黒川想矢:喜久雄の少年時代

横浜流星:大垣俊介:俊ぼん:花井半弥

越山敬達:俊ぼんの少年時代

渡辺 謙:花井半二郎➡四代目花井白虎

寺島しのぶ:大垣幸子、半二郎の妻

高畑充希:春ちゃん:福田春江:喜久雄の恋人➡俊ぼんと駆け落ち➡俊ぼんの妻

見上 愛:祇園の芸子 藤駒:喜久雄の愛人

瀧内公美:喜久雄と藤駒の子ども 綾乃

森 七菜:彰子:梨園 富士見屋の令嬢:喜久雄の妻

中村鴈治郎:実際の歌舞伎役者で父が人間国宝:富士見屋の千五郎

*吉沢亮や横浜流星に踊りの稽古をした。

田中 泯:人間国宝 万菊

三友の梅木社長

三浦貴大:三友の社員 竹野

李 相日(リ・サンイル)監督

KingGuu 井口:音楽

吉田修一:原作

歌舞伎

17世紀初め、京都で誕生。

人々はこの新しい芸能に熱狂した。

風紀の乱れを恐れた江戸幕府は

女性が舞台に立つことを禁止。

男性が女性を演じる女方の始まりだ。

1964年 長崎 立花組新年会 喜久雄14歳

立花組の新年会に

歌舞伎役者の花井半二郎が呼ばれた。

立花組が興行を仕切っているからだ。

歌舞伎の演目「関の戸」という余興を早川徳次(徳ちゃん)と喜久雄が踊ると

半二郎は目を奪われ、後でそばに来るように言う。

しかし、

敵対するヤクザ組織が殴り込みに現れ、

立花組の親分権五郎は撃たれて死んでしまう。

(この時、息子の喜久雄は組の人に喜久ぼんと呼ばれていた。)

1年後(1965年)大阪 喜久雄15歳

喜久雄は大阪の丹波屋の弟子になった。

喜久雄が挨拶に興行先に行くと

半二郎は息子の花井半弥・俊ぼんと

「連獅子」を踊っていた。

喜久雄は舞台から目が離せないほど魅了された。

喜久雄と俊ぼんは同じ学校に通い、

帰りには橋の上や道端で踊りのおさらいをした。

辛い稽古も喜久雄にとっては眠っていても頭から離れないほどだった。

この頃、長崎から福田春江が喜久雄を追って大阪にやってきた。

半二郎の妻幸子は

「真綿が水を吸い込むように、底が知れん。」と喜久雄の上達に驚いた。

喜久雄は京都で初めてお茶屋さんに連れていってもらった。

喜久雄・俊ぼん・源吉・松蔵だ。

俊ぼんは慣れていて楽しむのだが、喜久雄はジュースを飲んで大人しくしていた。

そこへ、藤駒という芸者がやってきて

喜久雄を自分のひいきに決めたと言ってきた。

ある日、半二郎に連れられて

人間国宝、小野川万菊の楽屋を訪ねる。

喜久雄は万菊に

「綺麗なお顔だこと、役者にとっては邪魔も邪魔」と言われた。

演目の「鷺娘」に2人は魅了された。

そして、

俊ぼんと二人藤娘を踊るようになる。

二人藤娘 俊ぼんと喜久雄

楽屋で喜久雄(吉沢亮)が化粧をしていると

朝帰りの俊ぼん(横浜流星)がやってくる。

芸に真面目な喜久雄とかなりお遊びが激しい俊ぼんは対照的に映る。

その日の

「二人藤娘」

俊ぼんの踊りがずれたらしいが、成功に終わる。

興行主の三友、植木社長は今度京座で「道成寺」をやろうと息巻く。

それを三友の竹野(三浦貴大)は冷めた目で見ていた。

歌舞伎は世襲制度で

今は仲良しこよしで踊っていても時期がくれば、あんたは蚊帳の外になる。

喜久雄は竹野に殴りかかる。

半二郎はまだ2人には大きな舞台の京座は早いと思ったが

すぐに開催の日がやってくる。

二人道成寺 俊ぼんと喜久雄

大きな舞台に緊張するふたり。

半二郎は

俊ぼんには「あんたの血が守ってくれる。」と言い

喜久雄には「身体が覚えていてちゃんと踊ってくれる。」と送り出した。

二人道成寺は大成功で、喜久雄の東一郎と俊ぼんの半弥とつけた東半コンビとして有名になっていった。

その夜、喜久雄は春江にプロポーズする。

しかし、春江はそれには答えず、

1番の贔屓になり、いっぱい働いて楽屋にペルシャ絨毯買ったろ、それで劇場を建てて主役はいつも喜久雄にしたろっと言った。

朝、喜久雄はそっと稽古に向かった。

半二郎が事故にあった。

5日後に舞台を控えていた。

幸子は代役は血筋のもんがやるのがお客様を納得させるというのだが、

半二郎は代役に部屋子の喜久雄を選んだ。

実の息子より部屋子の方が芸が上とみたのだ。

俊ぼんはいたたまれなくなり部屋を出る。

舞台当日、喜久雄は手が震えて化粧ができない状態だった。

俊ぼんが化粧をしてくれた。

喜久雄は震えながらこう言った。

1番欲しいのは俊ぼんの血、

守ってくれるものが俺にはない。

俊ぼんは芸があるやないか

と言ってくれた。

曾根崎心中 喜久雄

喜久雄のお初、曾根崎心中は成功に終わった。

役者の生田庄左衛門もよくやったと褒めてくれた。

俊ぼんは途中で席をたち、春江と駆け落ちしてしまった。

8年後 1980年 喜久雄、悪魔と取引

8年後、お祭りの最中、喜久雄は神社へお参りに寄る。

6,7歳の女の子綾乃は藤駒との間にできたらしい。

長い時間お参りする喜久雄に綾乃はこう聞いた。

神さんにぎょうさん祈っていたけど何をそんなに祈ったのか?

喜久雄は

神さんやない悪魔と取引してたんや

日本一の歌舞伎役者になれれば、他には何もいらんと祈っていたのだ。

別日、半二郎と幸子、喜久雄は先代花井白虎のお墓を参る。

糖尿病が進み、目が見えなくなっていた半二郎は

少しでも見えている間に白虎襲名披露をしたいと言い出した。

そして喜久雄に半二郎を襲名させるとも。

幸子は喜久雄に辞退してくれと頼むが

半二郎は強行させる。

丹波屋四代目花井白虎・三代目花井半二郎襲名披露

きらびやかな襲名披露。

喜久雄が口上を終えると次は半二郎の番だ。

しかし、半二郎は途中で吐血してしまう。

幕が閉じられた。

半二郎は

開けてえな開けてえなと叫ぶ

それから俊ぼん俊ぼんと何度もうわごとを言いだす。

喜久雄はすんまへんすんまへんとつぶやくのだった。

はっきりわからないが、半二郎は死んだ。

そしてそのタイミングで万菊が俊ぼんを見つけて連れ戻した。

1982年、

喜久雄は俊ぼんと春江、その子どもに会う。

俊ぼんこと花井半弥は丹波屋に復活。

花井白虎は生前、親がいないのは首がないのと一緒と言っていた。

喜久雄は先代花井白虎が作った負債のかたがわりをしたまま、

役ももらえず大部屋役者になっていた。

(喜久雄は先代花井白虎が残した借金を背負っていたが、

三友の竹野がお金を稼げない喜久雄にもう丹波屋に借金を払ってもらえと言うのだが、

旦那さんの借金は自分が返すのが恩返しと言って譲らなかった。)

ある日、

喜久雄は俊ぼんが万菊に稽古をつけてもらっているところをのぞいた。

万菊は俊ぼんに向かって、

歌舞伎が憎くて憎くてしょうがないのでしょう。

それでもいいの、やるの

と言っていた。

喜久雄も聞いていた。

喜久雄はどん底だった。

週刊誌にスクープされた。

極道の出であること、

藤駒との隠し子のこと、

花井半二郎をもらったことで、実子からその名を奪ったと言われ、

丹波屋を部屋子の分際で乗っ取ったと書かれた。

富士見屋の千五郎に役をもらいにいき、頭を下げても、

今は大人しくしておけと断られる。

あせった喜久雄は千五郎の娘に好意を持たれているのがわかっていたため、

梨園の令嬢、彰子と関係をもってしまう。

千五郎は怒り、彰子ともども2人を追い出した。

喜久雄は丹波屋の女将、幸子に挨拶をし、歌舞伎界を去る。

俊ぼんは喜久雄の気持ちを考えず、

彰子ちゃんを騙したのか?俺が必ず戻してやると上から目線だった。

1986年 喜久雄と彰子

健康ランドの舞台や宴会場でひとり踊っている喜久雄。

彰子の車もだいぶくたびれてきた。

地方の食堂でご飯を食べていると

テレビに何かを受賞した俊ぼんが映っていた。

舞台では酔った男性が喜久雄に見とれていた。

舞台裏に酔った男性3人が現れ、喜久雄は暴行を受けた。

ひとりが「この偽もんが!」と言い捨てて去る。

喜久雄はホテルの屋上でウイスキーのがぶ飲みをし、踊り出した。

後からやってきた彰子が

「もうやめよう。」と着物を肩にかけた。

喜久雄は振り返り、彰子を見た。

だが、彰子は「どこ見てんの」と言って去っていった。

喜久雄の目は彰子を見ていながら、見ていなかったのだ。

喜久雄、万菊に会う

ホテルの部屋、隣のベッドは整えられている。

彰子はいない。

竹野が万菊に会わせてくれた。

喜久雄は歌舞伎に戻ってきた。

1989年、俊ぼんとの二人道成寺は大喝采を浴びた。

世間は以前のことを忘れて、半二郎半弥の半半コンビに熱中したのだ。

ある日の二人道成寺、最後のシーンで俊ぼんは階段を登れず退場。

俊ぼんは糖尿病で左足壊死、膝から下を切断した。

俊ぼん、喜久雄 曾根崎心中

俊ぼんは左足切断後、もう1度舞台に立ちたいと

演目は曾根崎心中を選んだ。

俊ぼんがお初

喜久雄が徳兵衛だ。

俊ぼんは舞台を精一杯やって拍手を浴びた。

月日が流れた。

花井半弥が死んで18年たった。

喜久雄、人間国宝になる。舞台は鷺娘

2014年、喜久雄は人間国宝に選ばれた。

お祝いの取材で

順風満帆な役者人生でしたね

と言われる。

喜久雄はいつもの愛想のない受け答えだ。

ずっと探している景色がある。うまく言えない。

写真を撮ることになり、ひとりの女性カメラマンが近づく。

カメラを構えたまま、女性は話しだす。

藤駒という女性を覚えていますか?

祇園の芸子です。

女性はカメラをゆっくりずらし、顔が見えた。

喜久雄は

忘れてへんよ、綾乃

と言った。

藤駒と授かった喜久雄の娘だ。

綾乃は

あなたのこと父親や思うたこといっぺんもありません。

自分が舞台で拍手もらうために

どれだけの人が傷ついて泣いてきた思てるん?

あなたがここにたどり着くまでに

どれだけの人を犠牲にしたと思うてるん?

悪魔はんに感謝やな

演目「鷺娘」を花井白虎(喜久雄)が演じている

けどな

うち

舞台の花井半二郎観るたび

なんやお正月迎えたような

ええこと起こりそうな

なんもかんも忘れて

こっちにおいでって

誘われるような

見たことのないとこ

連れてかれるような

そんな気持ちになって

気い付いたら

目いっぱい拍手してた

お父ちゃん

ホンマに

日本一の歌舞伎役者にならはったね

舞台上の鷺娘も大喝采で終わる。

喜久雄の年表 人間国宝まで50年

1964年 立花組新年会「関の戸」

1965年 喜久雄15歳、丹波屋に弟子入り

     俊ぼんと「二人藤娘」

     俊ぼんと「二人道成寺」 春江にプロポーズするもスルーされる

     半二郎、事故に遭い、代役を喜久雄「曾根崎心中」俊ぼんと春江駆け落ち

1980年 喜久雄、悪魔と取引

     白虎襲名披露で半二郎吐血

1982年 万菊、俊ぼんを丹波屋に戻す 

     俊ぼんと春江には一豊という息子あり

     喜久雄はスキャンダルが雑誌にのり、大部屋役者に

     富士見屋の令嬢彰子と関係を持ち、歌舞伎から追放

1986年 彰子との関係も悪くなったところ、竹野のつてで万菊に会う

1989年 俊ぼんと二人道成寺

     俊ぼん、糖尿病で左足切断

     俊ぼんがお初役で「曾根崎心中」

     俊ぼんが死んで18年

2014年 喜久雄、人間国宝に選出

感想 喜久ぼんと俊ぼん

現在、原作を読んでいるところです。

映画は4回観ました。

何度も観ているという人の話を聞いて、

物好きだなあと思いましたが、自分もハマってしまいました。

喜久雄は半二郎と俊ぼんの連獅子という出し物の時、楽屋で俊ぼんに初めて会います。

会うというか、俊ぼんは振り返りもせず、

鏡に映った喜久雄を見ていただけでした。

蔑むような顔をしていました。

なのでその後の展開に驚きました。

仲良くなっていたからです。

俊ぼんは喜久雄が熱心に稽古する姿にリスペクトしたのだと思います。

そこから同じ学校へ通い、

そして喜久雄が来たことによって俊ぼんは稽古に身が入ってきました。

母親である踊りの師匠幸子が「真綿が水吸うように」と言ったことでも

喜久雄は元々素質があった上に練習熱心ですからね、

それを間近で見た俊ぼんも負けてられないと思ったのでしょう。

ここまで黒川君と越山君が演じています。

次に二人藤娘の時には

朝帰りで楽屋に飛び込んでくる俊ぼん。

歌舞伎のぼんぼんはお決まりの堕落をしていました。

こういうところは、時々世間をにぎやかす歌舞伎のぼんぼんそのものって感じです。

東一郎&半弥の東半コンビで大人気になっても

喜久雄は稽古に一生懸命で芸を磨きます。

喜久雄頑張っていて偉いなあと思いました。

感想 花井半二郎の代役

喜久雄と俊ぼんの仲にひびが入ったのは

半二郎が事故で舞台に立てなくなった時、

代役に喜久雄を選んだことです。

半二郎は俊ぼんは務まらないとわかっていたのでしょう。

歌舞伎役者は遊ぶのも芸のこやしと言うくらい遊んでばっかだったんだと思いました。

これが2人の運命の分かれ道でした。

大舞台の代役、当日、喜久雄は手が震えて化粧ができませんでした。

俊ぼんが硬直している喜久雄から筆を取り、化粧をしてあげました。

喜久雄は孤独に押しつぶされそうになり、

俊ぼんの血ががぶがぶ飲みたいと弱音を吐くのです。

以前、半二郎が血が守ってくれると言っていたからです。

しかし、舞台の喜久雄のお初は「良くやった」言われるレベルで、

十分にお勤めを果たしたのです。

私も観客の一員となり、幕が下りると感動で涙が出ました。

喜久雄のお初を見ていた俊ぼんは敵わないと思ったのでしょう。

いたたまれなくなり、席をたちました。

春江とともにそこから姿をくらまします。

春江の心情もまた複雑です。

なぜに俊ぼんと駆け落ちしたのか?

喜久雄が歌舞伎にのめり込んでいて、自分はその邪魔になってはいけないと思っていたのだと思います。

喜久雄がプロポーズしてくれた時、なぜに受けなかったのか。

喜久雄の心の中に自分が入るすき間が少ないと感じていたのかもしれません。

春江はそれがつらかったのだと思います。

嫌われたわけではないのですが、

10代の頃から一緒に刺青するくらいの仲なのに、春江の心中は考えれば考えるほどつらいと思います。

感想 藤駒と綾乃

春江が俊ぼんといなくなって、喜久雄は何を思って暮らしていたかわかりません。

しかし、心のすき間を藤駒が埋めてくれたことは間違いないと思うのです。

藤駒は最初から愛人2号3号でも良いと言ってくれていますし、

わきまえているのです。

娘の綾乃は無邪気にたまにしか会えない父親に不満をぶつけます。

そして、喜久雄が悪魔に魂を売るシーンがとても好きです。

他には何もいらないから歌舞伎をうもうならしてください

と悪魔はんにお願いした

すごい言葉ですよね。

俊ぼんがいなくなっても尚、喜久雄は毎日芸に熱心に取り組んでいたのでしょうね。

そして、10年。

半二郎は役者としてもう一旗揚げたくて襲名披露をやるが、倒れて死んでしまいます。

すぐに死んだのかどうかは短い映画の中では不明です。

目がほとんど見えていないのに、表舞台に出て拍手喝采されたいという生き物、

役者って悲しいですね。

多分そのタイミングで万菊が俊ぼんを見つけて、丹波屋に戻しました。

雑誌のスクープもなぜかそのタイミング。

喜久雄は俊ぼん戻ってきたものだから、大部屋役者になってしまいます。

ここら辺の詳しい説明は

半二郎が親がいないのは首がないのと一緒っていうセリフでなんとなくわかったような気がするんだけど、

歌舞伎の世界の世襲制度が現在もあるのが馬鹿らしいと思いますね。

皇室だけでいいと思います。

喜久雄は丹波屋の借金を背負って、幸子にしたら頭下げなきゃならない人なのに、

俊ぼん現れたら、さっさと追放します。

俊ぼんもいくら自分が大事と思っても

大部屋役者扱いの喜久雄にもう少し役を上げてくれよと思いました。

ぼんぼんだからそこまで気がつかないのかもしれません。

感想 彰子

歌舞伎がやりたい気持ちがつい強すぎて、

梨園の令嬢に手を出してしまい、富士見屋の旦那はんに歌舞伎界から追放されてしまいます。

彰子を演じたのは森七菜さんですが、これがまたいい演技でした。

可愛い梨園のお嬢様から喜久雄を支える女性になっていて、良かったです。

どんな舞台でも凛とした感じが現れていて素敵でした。

ホテルの宴会場で酔っ払いの男性が踊っている喜久雄をじーっと見ちゃってました。

で、終了後、喜久雄が男だったということから、

ふざけんなって

寄ってたかって暴力振るいます。

魅了されたのはお前なのに、喜久雄に何手を出しちゃってるの!と悲しかったです。

理不尽ですね。

屋上で酔いながら踊る喜久雄、もう限界にきてたんだと思います。

そしてここでも彰子が気づいてしまいます。

喜久雄は歌舞伎だけを愛しているのです。

三友の竹野が万菊に会わせてくれて、

喜久雄はまた歌舞伎の舞台に戻ってきました。

何年か前のスクープのことなんてみんな忘れています。

また東一郎、半弥の東半コンビの復活と騒がれ始めました。

だけど、俊ぼんは糖尿病に侵されていました。

左足切断。

今度は追い出されなかったのだろう。

俊ぼんには春江との間に跡取り息子がいたということも大きいと思いました。

横浜流星さんと吉沢亮さんが演じる「曾根崎心中」は見応えありました。

ここも泣きどころです。

感想 人間国宝

喜久雄は「鷺娘」を人間国宝に選ばれた舞台で披露します。

吉沢亮さんは、

何でも、歌舞伎のストーリーを知っていて欲しいということで、

どの踊りも通しで踊れるらしいです。

何がすごいって、何だかよくわからないけどすごいって思いました。

多分、普通の舞台だと顔とか手とかのアップはあまり見られないと思うけれど、

吉沢亮さんの踊りと映像美がすごかったです。

やはり顔は美しい方がいいと思いました。

そしてすごく感動してしました。

娘のカメラマンになっていた綾乃のセリフも相まって、

泣けました。

喜久雄という男の人生、14歳から今までを見てきて

本当によくやったという思いであふれてしまいました。

師匠の「お前には芸がある」を忘れず、やりきりました。

死ぬまでこの男は精進し続けるのだなと思いました。

ぜひ、皆様も機会があれば観て損はないと思います。

お読みいただきありがとうございました。

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